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証拠を取らない調査

2018年05月15日

『証拠の確保』



私達探偵が手掛ける行動調査には、ふたつの段階があります。


 1 行動を追跡し監視する事で真実をつきとめること

 2 その場面を証拠として押さえること


これらは切り離せないもののように思えますが、実際の現場では別の物として考える場合があります。

依頼人の方には、「証拠を押さえなくていいから、その現場に自分を呼んで欲しい」と希望されるひとが居るからです。

具体的に言うと、浮気調査で例えば調査対象者が不貞相手とラブホテルに入ったとします。

探偵の基本的な仕事はふたりが出てくるまで待ち続け、その瞬間を動かぬ証拠として撮影することです。

しかし、中には、「写真なんて撮らなくていい、自分がそこに乗り込む」と言う依頼人も居ます。

理由は様々です。張り込み時間が長くなれば調査料金が高くつくから、という理由もあれば、まどろっこしいことは抜きに、さっさと決着をつけたいというのも理由でしょう。



『クライアントへ連絡』


個人的には、依頼人の方が乗り込んでくるより、まずはきちんと証拠を押さえることをオススメしています。

しかし、クライアントの希望が最優先ですから、どうしてもと望まれれば、言われた通り連絡して現場に来てもらい、我々の仕事はそこまでになります。

しかし、気を付けないといけないのは、例えその場で調査対象者が浮気を認めたとしても、明確なもの……『写真』や『浮気をしましたと認める文書』などをきちんと残さないと、後日、手のひらを返したように「知らぬ。存ぜぬ」を決め込むひとも居るということです。

クライアントとしては、現場を押さえたことで気が昂っていますし、相手は、まさか外に自分の配偶者が待ち伏せしているなど思いもせず、完全に怯えて萎縮するか、開き直って威嚇するかのどちらかです。

どちらにしても、お互い冷静とは言えない状況です。

後日、相手が冷静になると、途端に逃げ道を探したり、ごまかしたりすることは、充分考えられることです。




『自分は何もやっていない』



例え、浮気の現場を直に押さえられてその場では平身低頭謝り、不貞行為を認めたとしても、その証拠が形として残っておらず、クライアントの方が「目で見た」だけであった場合、相手が突然「自分はなにもやっていない。証拠はあるのか」と言い出すと不利になります。

「私は直にこの目で見た」と言っても、「だったらその証拠は?」と返され、どうしようもないからです。

そうなってから、もう一度調査を依頼して「今度こそ証拠をきちんと取りたい」と望まれても、次は相手もひどく警戒して尾行ひとつまともに出来なくなるでしょう。

結論から言うと、「証拠は必ず手元に残したほうが良い」ということです。