年末はバタバタしていたので、もう新年も四日も過ぎてはおりますが、あらためて今ここで2020年を振り返りたいと思います。

 

 

おそらく福岡のどの探偵・調査業者も、ブログ・Twitter・フェイスブック等SNSでしみじみ語っていることと思いますが、2020年はまさに激動の年でした。

探偵業というのは実に逆風続きで、これまでも業界の未来に暗い影を落とす事件・出来事はたくさんありました。

リーマンショック、探偵業法の設立、旧来の広告モデルの崩壊、個人情報保護意識の高まり、スマホやドラレコの普及による高性能カメラの一般浸透……。

しかし、今年度起きた『コロナウィルス』騒動に比べれば、些末なことだったかもしれません。

そのくらい、今年度探偵・調査業界を襲った嵐は凄まじいものがありました。

 

 

もともと探偵業界は、生存競争の厳しい、新陳代謝の激しいところではありました。新しい探偵が現れては数年以内に消えていく。そんな世界です。

ですが、これまで盤石の営業を続けてきた大手調査事務所や、中堅の探偵事務所が、いっせいに閉業や規模の縮小、リストラの憂き目に遭うなんてことは未曾有の事態です。

今はネット広告全盛で業界の実態もより掴みにくいところはありますが、もし電話帳広告主体であったなら、次年度のタウンページの『探偵・興信所』の欄は、激変していたことだろうと思います。

しかし、実を言えば、弊所・もり探偵事務所に関しては、コロナ禍の影響は軽微でした。

依頼の量も致命的なほど減ってはいませんし、こうして個人事業の〆である年末年始に、事業を継続するか否かという深刻な検討もせずに済んでいます。

これは、リーマンショックのときもそうでした。

 

 

あの大不況のおり、私の知る大手探偵事務所は、かなり思い切ったリストラを敢行しました。

懇意にしていたベテラン調査員たちがいっせいにクビを切られたのです。

限られた経営資源を、事業の継続に注力した結果、現場に出る調査員たちを減らし、広告費と営業担当者の人件費に当てる……それが当時の探偵事務所・調査会社経営者の苦渋の選択でした。

しかし、我々の本分は、依頼を引き受け仕事を取ることではなく、受けた依頼をこなし、調査した成果を提供することです。

肝心のサービスの部分を削って、どう営業していくのか。その答えは、調査の外注でした。

いま個人で調査事務所を営んでいる探偵の中には、この時期に大手調査会社をリストラされ、仕方なく独立したという人もそれなりに居るはずです。

そして、私のようなしがらみのないフリーの私立探偵のところに調査委託の話がたくさん来たのもこの時期の特徴でした。

中には酷い条件のところもあったので(いや、大概がそうでした。あっさり調査員のクビ切るような代表者ですから)、片っ端から引き受けたというわけではありません。

しかし、依頼は途切れることはなく、世紀の大不況もそれほど実感はしなかったものです。

探偵業界だけでなく世界の経済の勢力図が書き換わるほどの不況下において、私のような小さな探偵事務所が乗り切れたのも、そういったカラクリがあったからです。

 

 

もちろん、私のような小回りのきく個人事務所は不況に強いというのもあります。

もとより広告に金などかけず口コミメインでしたし、自分が充分に調査できるため、リストラも外注も必要ありません。

都心部にご立派な事務所を持っているわけではありませんから、固定費も限られています。

こんなふうに書くと、ショボい実態をエラそうに話しているようで恐縮ですが、実は私のような形態の『私立探偵』はそれほど多くは居ません。

だからこそ、リーマンショックも乗り切れたし、今再びまた業界を震撼させているコロナショックも今のところは致命的な打撃を受けていないのかも、と考えます。

ならばなぜ2020年を振り返ってコロナに対して戦々恐々とした感想を記しているのか。

それは、経済というものがスケールの大きな生き物であり、その中に居る限り影響は免れ得ないからです。

 

 

探偵という狭く小さな世界においても同様です。自分が小回りがきく個人探偵事務所で不況に強いからといって、自分だけが生き残れるかといえばそういうわけにはいきません。

大手調査会社、中堅探偵事務所、下請け専門のフリーの探偵たち……様々な形態あっての探偵業界です。

競争がサービスの質を高め、比較が業界を流動化させます。そして淘汰と更新が業界を浄化し、緊張感を高め、消費者を保護するのです。

2021年は今まで以上に探偵業界の生存競争は厳しくなりそうです。

それは、福岡の探偵・調査事務所に限った話ではありません。

コロナによるダメージもまた、全国一律ではありませんから、東京等悪影響が深刻なエリアの探偵事業者が、生き残りと再起を賭けて福岡に乗り込んでくることも予想されます。

リストラや事業形態の変遷は、探偵業界の中の人にだけ関わる話ではありません。依頼者様にとっても、実は大きな影響を受けることでもあります。

来年の今頃、「今年もなんとか生き抜けました」と明るく記せることを願いつつ、2020年の総括とさせて頂きます。今年もありがとうございました。

 

もり探偵事務所代表 森

 

 

尾行・証拠撮影を得意とするもり探偵事務所は、福岡の私立探偵です。2021年もよろしくお願い致します。