探偵と砂漠の水売り。水源の水を高く売るためには?

私は商売がヘタな探偵

我ながらビジネスが下手です。自覚はあります。

探偵の才能にはさいわい恵まれていましたが、商売の才能のほうはサッパリだと自分でもわかっています。

(探偵のセンスがあったことは、二十年以上続いていることが証明しています。ビジネスが下手なのは、それだけ長い期間やっておきながら支店のひとつもないことが証明しています)

「なんで? 探偵なんて、報酬は高額だし、客はみんな尻に火がついてるし、やりようによってはいくらでも儲かるだろうに」

こう面と向かって言われたこともありますが、内心ドン引きでした。このひとサイコパスかなんかか。

困っている人を見て、まず「なんとかしてあげたい」と思うか、「ビジネスチャーーンス」と思うのか。

前者であるからこそ、私はパッとしないんですが、後者になりたいとは、これっぽっちも思いません。

こういうとき頭に浮かぶのが「砂漠の水売り」の話です。

 

ビジネス課題「砂漠で高く水を売るには?」

とある不毛の砂漠があり、人々は小さなオアシスのまわりで暮らしていた。

あるとき、そこから遠い場所で、あなたは一人、ささやかな水源を発見した。

オアシスの街からはかなり遠く、便が悪い。

個人で運べる量にも限度があるため、まともに運んでいたら儲けは少ない。

では、どうしたらこの水を高値で売れるか?

いかにもビジネス学習として使われそうな問答ですが、受け売りではありません。私のオリジナルです。

 

模範解答は?

こういうとき、多くの人間は輸送コストや人件費を考えることでしょう。

またある種の人々は、飲料に適しているかの安全性を考慮するかもしれません。

政治的な野望を持つタイプなら、これを機にオアシスの街での利権に食い込めると皮算用を始めるかもしれません。

私は、この水を一人で苦労して運び、オアシスで「なんらかの理由で水が手に入れられず本当に困っている人」にささやかな利益を載せた金額で売ろう、と考えるタイプです。

探偵の思考そのものですね。

しかし、この水をもっとも高く売る方法なら思いつきます。

オアシスに毒をまいたり、破壊すればいい。

 

探偵としての解答

この不毛の砂漠の唯一の水源であったオアシスが使い物にならなくなれば、残った唯一の水源の価値は天井知らずに跳ね上がります。

問題点の「輸送の大変さ」なんて、水を求めて殺到する人たちが自分から来るので問題にならないでしょう。

これが、「発見した水源の水をもっとも高値で売る方法」の答えだと思います。人間としてはおおよそ最悪の発想でしょうが。

しかし、こういう発想に対して「うん。同じこと考えてた」とか「あっ。その手があったか! 」とナチュラルに考えてしまう人が居ます。それもけっこうな数。

それどころか、ためらいなく実行するひとも居ます。それがビジネスというものだからです。

人間性やモラルから切り離されるからこそ、ビジネスはあらゆる可能性を含んでいます。まさに「ビジネスチャンスは無限に転がっている」。それは、コロナ禍で『転売ビジネス』が猛威を奮ったことからも伺えます。

現実のビジネスとなるともう少し話は複雑で、砂漠の水売りの話にしても、実際はもっと複雑でこんがらがることでしょう。先に上げた問答なんて、子供じみた思考実験にすぎません。

しかし、単純な結論もひとつあります。

人間性やモラルを切り離せば、ビジネスはチャンスも可能性も広がりますが、人間性とモラルを残したまま仕事をすることは、決して不幸ではないということです。

それも私が二十年かけて証明しました。

 

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影を得意とする福岡の私立探偵です。