探偵ひと筋二十年、福岡の私立探偵ブログ

Don’t Be EvilDo the Right Thing

Googleの企業理念は「Don’t Be Evil」……直訳すると、「悪者になるな」

私は最近まで知りませんでしたが、世界でも有名な社是のひとつらしいです。

どこぞの、EVIL業者だらけの業界も見習うべき立派な規範ですが、自分で「ワタシ悪人ではアリマセン」とか言っちゃうひとがちょっとうさんくさいのは普遍的な話。

探偵やっていると、ついそういうヒネたものの見方になっていけませんが、とにかく、Googleはこのコーポレートガバナンスをさらに推し進め、ついには

Do the Right Thing(正しいことをやれ)」

にまで行き着きます。

「ゆえに。我々はいつでも絶対的に正しい」……そんな本音が透けて見えるのは、私だけでしょうか。

 

正しさの追求

わが『もり探偵事務所』の社是(なんて個人事業にはありませんから、私立探偵・森の個人的モットー)は、

「事実は目の前にしかない。真実は自分の中にしかない」です。

真実はひとつ、なんて言い切ってしまうマンガもあるそうですが、私に言わせれば、真実を定義するのは自分だし、人間の数だけそれは多種多様にあるものなのです。

話が微妙に逸れましたが、とにかくGoogleは「正しさ」を追求する運営姿勢を明確に示しています。

これが、意識高い系ベンチャー社長や、チャラい大学サークル幹事なんかが口走っているだけなら、「うん。そうだね」と小刻みにうなずいてスルーすればいい話なんですが、こと世界最高峰の企業のひとつであり、検索エンジンの分野でほぼ完璧なシェアを握るビッグテックのうわ言となると話は別です。

それは、私たちの生活へのきわめて強い影響を意味します。GAFAレベルの企業が「やる」と決めたことは、絶対にやり遂げます。それだけの目的意識と、技術と、なによりも無尽蔵の資金を持っているからです。

 

不可侵の聖域。Googleトップページ

本音はともかく、Googleの表向きの企業方針である「正しさの追求」は、「消費者サービス」を最優先として据えられています。

「企業の利益である『広告』と消費者の『利便性』は完全に切り離すべし」

その方針は、「大金を支払ったヤツほど目立たせる」という従来の広告の形に変化をもたらしました。

Googleのトップページを見るとよくわかります。

世界屈指の集客力を誇るであろうGoogleのトップ(検索)ページは、白をベースにした非常にシンプルなもので、ここにはどんな大企業の広告も許されていません。

Googleのロゴ、検索窓、テーマイラストがあるだけの、神聖で静謐な場所です。

そして、「正しさの象徴」たる検索結果において、広告はわかりやすく『広告』と明記され、純粋な検索結果から切り離されて存在しています。(『広告』というだけで最初からスルーする消費者も多いはず)

「金がすべてじゃない」と明示する超企業Googleの方針によって、「金がモノを言う探偵業界」をむしばみ続けた『広告費・肥大化問題』にも、ようやく終止符が打たれました。

 

究極の効率主義

……と書いて締められるなら「Googleの正体」なんてタイトルをこの記事につけません。

Googleには実は隠されたもう一つの企業方針があります。

「数が多いもの、大勢の人が選ぶもの=正解」という統計学的思考。【多様性】や【ニッチ】を全否定する、究極の効率主義です。

そもそも、時価総額110兆円もの超ド級企業「アルファベット社」が運営するGoogleの、「正しい」という認識は誰が行うのか。

元CEOにして生みの親であるラリー・ペイジでも、現CEOのサンダー・ピチャイでもありません。それは、ビッグデータとAIによって統計学的に導かれます。

とはいえ、映画や小説のように、自我を持ったAIが独自の判断で正義を規定したりなんかしません。

それは、信じられないほど大量の人間の「意思」や「選択」「価値観」などを収集・分析し、もっとも数が多いものを正解とする、高度で公平な民主主義です。

百人のうち九十人が同じ選択、同じ価値観なら、それは「正しいこと」となるのです。

(そして残りの十人がどう扱われるかが、今回の記事のキモです)

 

親以上、親友以上の存在

そんなこと、少し前までは実現不可能と思われていました。統計学はとにかく膨大な数の正確なデータが必要で、それを充分に収集する方法も、分析する技術もなかったからです。

考えてみてください。生徒数一万人の学校で、ある教員が「生徒に一番嫌われている先生とその理由を書かせて、我々の教育を改善しましょう。Do the Right Thing!」なんて提案をしたとします。公正さを求めるため、生徒の実名入りで。

誰がそんなアンケートに本音を書いて提出するのか。

誰が一万枚すべてのアンケートに目を通し、集計して発表するのか。

ビミョーな例えで申し訳ないですが、それだけ人間は自分の本音なんてさらさないし、そんな膨大な個人情報を集めたり分析するのは、おそろしく面倒な作業なのです。

ひとびとが望んで自分のデータを打ち込む検索窓と、世界最高峰の量子コンピュータでも持っていない限り。

 

Googleの正体

いまや、検索窓には誰もが、親や配偶者や親友にも言わないプライベートを打ち明けます。そして、従来のスパコンが一万年かかる計算を三分で終わらせるコンピュータが、そんな無数の声を吸い上げ、分類し、フィードバックします。

何にか? もちろん『広告』にです。

つい忘れがちになりますが、Google(の母体であるアルファベット社)の実態は、「売上の八割が広告収入」という企業なのです。Googleの正体は広告屋。ふだん、それを認識することはほとんどありません。Googleがあまりにも便利で、ほとんどのサービスが無料であり、企業イメージがクリーンだからです。

しかし、私たちはそのサービスと引き換えに様々なものを支払っているのです。

この続きは、長くなったので、また次回「そりゃないぜ、Googleさま」にて記します。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影を得意とする福岡の私立探偵です。