福岡中にある調査現場

出身である福岡県で探偵事務所を開き、以後、ずっとこの地で探偵業を続けているもり探偵事務所ですが、これだけの期間営業を続けていると、福岡中がくまなく調査現場になってしまったと感じます。

弊所のホームページリニューアルに際し、コンテンツの見直し作業を行いました。そして、【もり探偵事務所について】というページの「対応エリア」というページを作成しました。

福岡市(東区・南区・中央区・博多区・城南区・早良区・西区)、 宗像市、糟屋郡、福津市、古賀市エリアと、福岡県内の各エリアを列挙して、それぞれの地名を見ながら、「どこも全部調査した場所だな」としみじみ思いました。

 

どこにでも行く仕事

以前、【埋まっていく地図】という記事にも書きましたが、探偵業はとても変わった仕事です。

普通の生活をしていたら一生足を踏み入れないであろエリアに行き、長時間滞在し、あるいは、あたかもそこで生活しているかのように振る舞って、短時間で地理地形に精通します。

例えば、福岡県内で見ても、探偵ほどあちこちに出かけ、隅々まで行き尽くす仕事はたぶん他にないのでは、と思います。

東区・南区・中央区・博多区・城南区・早良区・西区といった福岡市区だけでなく、東は福津・宗像・飯塚、田川、南は朝倉・うきは・久留米・八女・大牟田、そして西は糸島を通り過ぎ、唐津・伊万里・佐世保近辺まで。本当に、どこへでも出かけます。

浮気調査でも人探しでも、福岡県各地から相談・依頼は来ますし、調査の展開によっては、当初予想もしていなかった場所にまで足を伸ばすことも多々あります。

 

似たような仕事

似たような系統の業種……たとえばお巡りさんなんかも、捜査活動として色々な場所を歩き回りそうに見えますが、警察には担当のエリア区分というものがしっかりありますから、管轄以外の場所には基本的には関わりません。

(刑事ドラマなんかで、型破りの刑事が自由に動き回り、単独行動してあちこち出かけたりしますが、『殺人事件の捜査をする探偵』なみのフィクションです)

同様の理由で、一見どんな場所にも行きそうな『配送業者』も『郵便局員』も、精通するのは自分の担当エリアだけです。

あらためて、探偵ほど色々な場所に行く仕事はないな、と思います。

 

「私は依頼人を決して忘れません」

探偵を始めてたしか三年目の春でした。ひとりの女性から、「覚えてらっしゃいますか?」という前置きで、メールをもらいました。

私は「もちろん覚えていますよ」と返事しました。その女性は、私が探偵を始めた最初の年の依頼人です。

恥ずかしそうに「きっと、いろいろな依頼を受ける探偵さんだから、自分のことはもう忘れてると思っていました」と話す依頼人に、「私は一度受けた依頼のクライアントのことは決して忘れません」とかなんとか、後頭部をハタきたくなるようなセリフを言い放ったものです。

その頃で、たぶんまだ100件いくかいかないかくらいの受任数だったでしょうか。

実際にその依頼人のことはちゃんと覚えていたし、自分の言葉にウソ偽りはないつもりだったのですが、そんなことをドヤ顔で言えたのも、開業五年目を過ぎるくらいまででした。

 

増えていく調査履歴

受けた依頼の総数が何百件と増えていくに従い、さすがにすべての案件の内容と依頼人をはっきり覚えている……というわけにもいかなくなりました。

当初は、受任歴として、受けた依頼の日にちや依頼者情報、調査内容、調査結果などを仔細に記録していましたが、セキュリティの観点から、個人情報に関しては一定期間経過後は完全消去するようにしたことも起因しています。

さらに長い時が経ち、探偵歴20年にも迫ろうかという今、受けた依頼の数はおそらく四桁に届きます。

よほどインパクトのある依頼や、印象の強い依頼人をのぞけば、(私がこのブログに記す案件なんかがソレです)「一度受けた依頼は決して忘れません」とは、いつのまにか言えなくなってしまいました。

 

ひとよりも思い出に残る場所

不思議なもので、記憶の深い谷間に消えてしまっている依頼であっても、『場所』に関しては、なぜか忘れません。たとえ記憶が薄れかかっていても、その『場所』に行けば、あっという間に鮮明に蘇ります。

脳のメカニズムとして、記憶は完全に消え去ることはなく、脳の深い場所にある引き出しにしまい込まれ、『トリガー』となる刺激や情報によってそこから拾い上げられる特性があると言います。

特に一般的なのが、『におい』と『音楽』です。

たとえば、『でんぷん糊』(赤い帽子の黄色い容器のアレが有名ですね)の匂いを嗅ぐと、幼い頃を思い出すというひとはけっこう居るそうです(私の決めつけでなく、『臭気誘発性自伝的記憶特性』といいます)。

他にも、ファミコンのピコピコ曲を聞くと小学校時代の放課後や友達の部屋の光景がフラッシュバックするひとは多いはず。

そして、私にとっての記憶想起のトリガーは、どうやら『場所』のようです。

 

福岡の探偵

そんなわけで、福岡で長年探偵を続けている私にとっての記憶のトリガーたる『調査の思い出の場所』が、福岡県中に無数に散らばっています。

私には愛着のある街・福岡ですが、県外(特に関西・関東・北海道)の人間にとっては、勢いと将来性のある魅力的な街に見えるらしく、ここ十年ほどで、県外に拠点を置く探偵事務所や調査会社が激増しました。

どこもその性質上、「最近福岡に来て探偵始めました」とはおくびにも出さず、「福岡で探偵してウン十年!」のような広告を出しているようです。

依頼人様には、そのあたりの事情はわからず、看板の派手さや、事務所の立派さ、ホームページの完成度で業者を選びがちだと思います。

しかし、やはり長い時間をこの土地で過ごし、この場所に根を張って探偵業を続けてきた調査員だけが持つ経験というものが歴然としてあるのです。

(それは、我がもり探偵事務所だけに限らず、「探偵 福岡」や「浮気調査 福岡」と検索して表示される地域密着型の老舗探偵事務所すべてがそうです)

 

初心と自信の自動更新

探偵を始めたとき、私は、自分の『探偵歴』を詳細な記録として残そうと考えました。全依頼をデータとして綿密に残すことが、自分の『探偵力』の土台になり、自信に繋がると思ったからです。

しかし現実には、『記録』はセキュリティ的な理由から残さず、『記憶』も年月とともに輪郭をぼやけさせています。

けれども、記憶のトリガーは『場所』として無数に散らばっています。それが何を意味するか。

それは、成功体験はもちろんのこと、ちょっとした油断から生じたミスや、突発的なトラブル、そしてそんなリスクになんとか対応し、必死に挽回した経験が、深層心理に深く刻まれ、アウトプットして体系的に整理しなくとも、『場所』という外部刺激をトリガーとして蘇り、常にアップデートされ、メンタル的なメンテナンスに繋がるということです。

 

まとめ

全然意味がわかりませんね。

端的に言うと、「あちこちのエリアで調査の記憶が蘇るたびに、失敗や不手際を思い出して初心を振り返れるし、これまでに重ねてきた成功体験を再認識することによって自信を抱き続けられる」ということです。

「初心と自信の自動アップデート」……それは、ひとつの場所で地道に経験を積んできた職業人だけが持ち得る、目には見えないささやかな財産なのでは、と思います。

ようは、「福岡の調査に関しては、誰にもどこにも負けません!」……それが言いたいという記事でした。

 

福岡で営業して19年。福岡の浮気調査・行動調査は、もり探偵事務所におまかせください。