崩れ始めたジャパン・クオリティ。文句は言うべき?

氷河期世代の日本製品信仰

私くらいの世代にとって、日本という国はたいへん素晴らしく、思春期の若者や自分探しOLのように「日本はこーいうところがダメ」なんてこき下ろしたりはしません。

たしかに悪い点、遅れている点があるのも認めます。

女性であれば『性差別』、若い層であれば『老害の既得権益』という日本の宿痾に、それぞれ文句も言いたくなるでしょう。

私とて、氷河期世代という理不尽な目に遭わされ続けた層なので、その憤りはわかります。

しかし、いいところに目を向けた場合の、日本の製品やサービスの良さは、認めざるを得ません。

(海外製品の質やサービスに触れれば、それはよくわかります。海外旅行をした人が「やっぱ日本いいわー……」と口にするのと同じです)

しかし、この日本品質崇拝がくつがえさせられる出来事が、最近立て続けにありました。

(まあそんな大げさなことでもないんですが……)

 

某芝の液晶テレビよどうした

まず、『某芝』の液晶テレビが購入後数年で壊れました。液晶が何も映らなくなってしまったのです。

ネットで検索してみたところ日本中で頻発している事象でした。

そもそもテレビなんて壊れずに十年以上使えて当然、というのが私の世代の認識だったため、ちょっと戸惑いました。

しかもどう考えてもリコールの対象のはずなのに、私が買ったモデルは対象外とのこと。しかも修理費はテレビそのものの値段より少し高いという、冗談みたいな展開でした。

日本が誇る家電メーカー某芝が、まさかこんな仕打ちを消費者にするなんて……。ネット上でも私のような購入者からの怨嗟の声があふれかえっていました。

 

事務所のチェアもガタついて

それから、事務所の応接セット。

先日、心機一転、事務所内の模様替えを行い、ブラックアイアンとグレーのファブリックというチェアを購入しました。

とあるインテリアショップで一目惚れしたもので、在庫はなかったため予約購入し、ずいぶん待ちました。

待ったかいあって、後日事務所に届けられたチェアセットは大変ステキなもので、奮発してよかったと素直に思えるクオリティでした。

(そう。オシャレなだけに高かったのです)

しかし、座ってみたところ、何かおかしい。足がグラつく。

見ると、足の不具合があり、場末の食堂の丸椅子のように片方が浮かんでガタガタしてるではありませんか。

せっかくのブランニュー気分が台無しです。私は神経質なほうではありませんが、椅子のガタツキとか車の不調といったお尻の真下の変化はすごく気になるタイプなのです。

高かったのに。オシャレ重視はやはりダメなのか。いや、このくらいのガタつきはガマンすべきなのか。

葛藤していたところ、購入したインテリアショップから「商品は気に入りましたか? レビューをお願いします!」と絶妙なタイミングで皮肉なメールが来ました。

思わず「せっかく高くてオシャレなチェア買ったのに、足がガタツいててガッカリ」と辛口レビューをしそうになりましたが、そのメールには「商品に不具合があればご連絡を」とも記されていたので、ダメ元で電話し、症状を伝えました。

後日、すぐに同じものが届けられ、そちらのほうはガタつきも皆無。交換してもらって大正解でした。

しかし、こう言ってはなんですが、廉価な商品ではないのだから「発送前に商品管理ちゃんとしとけ」という気分です。(アフターサービスは満足のいくものでしたが)

これ、購入者が泣き寝入りしていたら、せっかくのオシャレでハイセンスなチェアも、満足度は微妙だったわけです。

そして、こういうことをいちいちクレームで言うひとばかりではありません。

(私もどちらかといえば、よほどのことがない限り文句は言わない性質です)

しかし、言うべきときはちゃんと言わないと損するという、まさにアメリカ的社会になってきているように思えます。

 

某作業服店の裏切り

最後は、某作業服店の話。

以前ブログにも書いた通り、私は探偵の現場ユニフォームとして、とある作業服店の服をたまに買うのですが、ちょっと最近質が低下してきているように思えてなりません。

今やそのショップも老若男女問わない人気ブランドとして確立され、土日ともなれば店内はごった返し、人気のあるジャケットやパンツは欠品が相次いでいます。

そうなってくると、商品の供給に無理が生じ、クオリティの低下を招きがちです。

しかし、そのショップの会社の経営理念には、「クオリティは絶対維持する」という信頼感みたいなものがありました。

いかにオシャレアパレルに変化したとはいえ、元は現場で働く人々のための実用的なお店です。作業着のお店なのです。

作業着の用途を考えれば、タフで長持ちというのは絶対に失ってはならない条件のはず。

しかし、つい先日購入したカーゴパンツが、三日も経たないうちにポロリとボタンが外れてしまいました。

しかも同じ商品のリピートだから分かるんですが、なんとなく縫製も荒く、形も崩れ、言ってしまえば「大量生産時のC級品」のように感じました。

もちろん、店に伝えたら初期不良ということで平身低頭、すぐに新しいものへと交換はしてもらいましたが。

これにしたって、人によっては「仕方ないか。安かったし」と諦めるでしょう。

 

そして、「言わないと損」という社会へ

なんとなく商品販売の世界全体が「言わないと損」みたいなことになってきているように感じます。

クレームなんてマネしなくても、いい商品を快適に使えるのが日本製品の素晴らしさだったんですが。

今の商品は、欠品・不良品が一定数あるのが大前提で、言えばすぐに新しいものと交換してくれる、という形態になってきているように思えます。

それが大量生産時代におけるスタンダードだとしても、あまり事務的に「新しいものと交換しろ」と要求したくない人間だって居るんですけどね。

ちなみに私は、お客さんにいろいろと言われるのがイヤなので、言われるまでもなく、自分の仕事はキッチリ全力で、文句のつけようがないくらいしっかりやります。

ジャパン・クオリティが少しずつ低下していったとしても、もり探偵事務所クオリティは、ぜったいに落としません。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影を得意とする福岡の私立探偵です