探偵一筋二十年、福岡の私立探偵ブログ
新型コロナウイルス感染拡大にかかる緊急事態措置発動
進化速度から逆算すると、コロナウィルス最初の感染者は、2019年11月17日に発生したとのことです。
武漢市の病院の救急に第一号と見られる患者が搬送されたのが、2019年12月16日。
日本で第一号患者が出たのが2020年1月17日。
横浜港に寄港したダイヤモンドプリンセスで10人の感染が発覚したのが2020年2月5日。
そして、WHOによるパンデミック認定が2020年3月11日。
国内で本格的にCOVID-19が意識されだしたのは、ダイヤモンドプリンセスの一件からという認識ですが、それでもまだ三ヶ月程度しか経っていません。
そしてついに、福岡を含めた全国7都府県に対して、国から正式に緊急事態宣言が行われました。
安倍首相は会見で、「戦後最大の危機」とはっきり明言しました。東日本大震災を超える災害であると国のトップが認めたわけです。
ウィルス後の世界
天災と違い、ウィルス禍は一過性のものではありません。
嵐が過ぎ去った後、気持ちを切り替えて復興に励む、というわけにはいかず、いつ終息するのか、どうやったら終息するのか、そして終息後のめちゃくちゃになった世の中がどのように修復されていくのか、まったく先が見えない状況です。
探偵という仕事柄、私はどちらかと言えばものの見方がシビアで、危機感を持って生きているほうだと自覚していました。
しかし、今年度の1・2月は調査の依頼が重なって多忙だったからとはいえ、コロナに関しては読みが甘かったというのが正直なところです。
私が、『来るか、探偵業界のコロナ不況』という記事を公開したのが3月6日。
記事の中では、比較的シビアにコロナウィルスがもたらすマイナスインパクトに言及していますが、一点……
「ペストや天然痘が流行した近代と違い、今は遺伝子にまで人類の英知が及ぶ現代です。これが、人類史に残る悲惨なパンデミックとなる可能性は低いのではないでしょうか」
……という言葉については楽観的に過ぎました。ことは探偵業界の不況どころか、世界経済の深刻な悪化にまで及んでいます。
「ひとが動かないと、『行動調査』のニーズがなくなり、探偵の仕事もまたなくなる」
それは間違いありませんが、もはや探偵業界の不況どうこうの話ではなくなっています。
今後のことはまったく分かりません。しかし、はっきりしていることもあります。
ひとつめは、経済活動が停止しているツケは必ず万人にめぐってくるということ。
ふたつめは、コロナ発生以前の生活にそっくり戻ることはもう無理だということです。
コロナウィルスの遺伝的特徴
専門家によると、新型コロナウィルスは、リボ核酸(RNA)が一本で構成されていて、二本の核酸で構成されたDNAよりも変異しやすいそうです。
それはつまり、ワクチンの開発も難しく、現状の性質(感染力が高く、致死率が低い。若年層はほとんど軽症で、老人ほど重症化しやすい)も、いつ変異するかわからない、ということです。
ここまでのところ、コロナウィルスの対人戦略は実に見事なものです。致死率の低さから、ひとびとは楽観し、自分には関係ないという浅薄な若年層が、活動しまくって見事に拡散させました。
何より、二週間という潜伏期間が致命的です。人間の記憶力や緊張感が薄れるのに十分な時間だからです。
この記事を書いている(2020年4月22日)時点で、世界の感染者数は252万5240人。死亡者数は17万4001人と、現時点でもすでに、コロナウィルスと人類の戦いにおいて「勝ち」はなくなっていると言えます。世界恐慌に匹敵する経済の混乱も目の前まで来ています。
人類もまた、敵であるウィルスと同様、シンプルな生存戦略をとり、自らを柔軟に変異させなくてはいけない岐路に立たされていると見ていいでしょう。
まったく……信じられないことがたやすく起こりますね、人生には。