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スタッフのクォリティ

悪事に手を染める従業員

先日、コンビニのバイト店員が、勤務初日に店から金を盗んで逃げるという手口を繰り返したとして逮捕されました。

【コンビニのバイト初日に窃盗 16都府県の30店、被害1000万円 容疑の男逮捕】(西日本新聞社)

逮捕された男は、東北から九州まで日本中を股にかけながら、偽名を使ってコンビニのバイトの面接を受け、採用が決まると勤務初日に現金を奪い、そのまま休憩時間にさっさと店から逃げ出すという手口を繰り返していたとのことです。

大胆かつ不敵で、やり口はシンプル。コンビニという少人数しか居ない、しかもレジや金庫が比較的無防備な場所に狙いを定める、ある意味プロのような仕事ぶりです。

また、コンビニにはあちこちに防犯カメラが設置してあり、万引きにも目を光らせていますから、「まさかこんなところで窃盗しないだろう。すぐバレるし」という人間の心理を突いた【おおざっぱさ】が、かえって盲点になったとも言えます。

 

成立の要件

この犯人、コンビニバイトの経験者で、パッと見の人当たりもよく、受け答えも誠実そうで、まさに詐欺師の条件にマッチしていたようです。

おまけに、狙うコンビニ(『急募』という求人チラシを店頭に貼ってある店舗)を定めると、客として中に入ってオーナーや店員を観察したり、近くのビジホに宿を取って、デタラメの内容を記した履歴書(現物を見ましたが、丁寧な字で几帳面に記してあり、好感が持てる内容でした)をしっかり準備するという用意周到ぶり。

しかし、何よりもこの犯罪が成功した要件は、日本の『慢性的な人手不足』という背景でしょう。

 

少子高齢化による人手不足

コンビニでは深刻な人手不足が起こっています(コンビニに限りませんが)。ほんの十年前に比べ、外国人留学生店員が激増していることからもそれがうかがえます。

かつて、コンビニバイトはフリーターや大学生、主婦の定番バイトでした。

しかし、これらの層の労働力が激減し、また他の業界(飲食店や各種販売店)での慢性的な人手不足による人材の争奪戦、ブラック労働環境に対する防衛意識の高まりなどから、どこのコンビニでも、若くてヤル気のある人材はノドから手が出るほど求められています。

そこにつけこみ、この犯人は、誠実そうな雰囲気をかもしながら「毎日、何時間でも働けます。すぐにでも入れます」と面接でハキハキ答えたそうです。

そんなグッドスタッフを雇用者側が簡単に手放すはずはなく、都合のいい人材が飛び込みで働き口を探しているのはある意味何か裏がありそうですが、この犯人はそこも抜かりなく、「病気になった身内の介護で引っ越してきたばかりだから、すぐに仕事の口が欲しい」と伝えていたそうです。

普通、コンビニバイトの採用審査で、履歴書記載の住所に現地確認に行くことなどまずありません。

コンビニで働く若い層は田舎などから出てきて一人暮らしの人間が多く、また保証人なども求められないことがほとんどです。

オーナーが自衛のためそういった裏を取ろうとうるさく動けば、「なら働くのやめます」と言われてしまいそうでコワイし、ただでさえ夜勤やバイトの穴埋めなどで長時間労働してフラフラのフランチャイズオーナーとしては、それは避けたいところでしょう。

ましてやコンビニバイト経験者であれば、即戦力として初日からいきなり一人前の仕事を任されたりもします。

金銭を扱う仕事でありながら、管理職ではなくバイトに一任してしまう、コンビニの労働システムの悪い点を突かれた格好です。

 

日本のバイトの問題点

そもそも、日本の労働環境は、低賃金の派遣社員やアルバイトに、本来責任が求められる社員と同等の仕事を担当させるという問題点があります。

職場や雇用主に対する忠誠や責任に応じた賃金が支払われるべきなのです。それをせず、よくない待遇で責任と労働だけを押し付けていては、こんなことが発生してもおかしくはありません。

しかし、そんなコンビニオーナーも、実態としてはフランチャイズ契約にがんじがらめに縛られ、超ブラックな条件で日夜働かされているわけですから、仕方ないところもあります。

そもそも、コンビニエンスストアという仕組み自体が、少子高齢化で労働力に余裕がなくなった時代(誠実で、低賃金でもよく働く、マジメなバイトがどれほど居るだろうという時代)に、適合しなくなってきていると言えます。

私がわざわざその社会問題をブログに記したのは、少子高齢化が不治の病であり、今後必ず悪化していく一方である以上、同様の事件は今後ますます増えていくと思うからです。

やがて、日本のあちこちの労働環境で、「従業員の質の悪化」と「不祥事」が頻発していくことでしょう。

従業員にしても、「低賃金・高負担で働かされてるんだから、マジメにやるだけバカを見る」という意識に陥りやすく、自浄作用もそれほど見込めません。

 

もう一つの事例

では、コンビニ以外ではどうか。もう一つ、興味深いニュースがありました。

【外国人店員グル、対策限界 グッチ社員 自店窃盗事件 訪日客対応、採用増の裏で】(西日本新聞社)

誰もが知るハイブランドで、店員と窃盗団がグルになり、偽造クレジットカードによって自店の商品をだまし取ったという事件です。しかも福岡の天神というもり探偵事務所の近くでの話です。

訪日外国人は年々増加し、特にこの福岡県はお隣の韓国を始め、立地的にアジアからの観光客が激増したエリアです。

しかも、そういう訪日観光客は、日本のハイブランド店でいわゆる「爆買い」をします。そのニーズに対応するため、店側も当然のことながらバイリンガルの外国人店員の雇用に力を入れます。

若くていつでも働ける労働力に飢えているコンビニとは別の強い人材ニーズが発生しているわけです。

マジメそうで、日本語も外国語もペラペラの人材は、企業も店舗もノドから手が出るほど欲しいというのが実情でしょう。

そして、その外国人店員が、本格的なプロの窃盗団を店舗へ招き入れます。その手口は鮮やかでシステマティックですから、内部協力者が手引きすれば、いともたやすく犯行を成功させるでしょう。

 

SNSを駆使した犯罪

この内部協力者を用意するのに、SNSが活用されているのも見逃せません。まさしく、今の時代を反映した新しいスタイルの犯罪と言えます。

末端だけを切り捨てることで主犯格までたどらせない「振り込め詐欺」と同様、このグル店員の手引きによる窃盗もまた、「切り子」と呼ばれる使い捨ての人員を駆使することで、首謀者格までたどり着けないそうです。

おまけに、面接時は、窃盗団となんの関りもなかったはずの店員が、働いているうちに賃金や待遇に不満を抱くようになり、そこにつけこんだ窃盗団に接近され、高額の報酬を条件に犯罪の協力者に堕ちることもあるでしょう。

面接時に、水際で犯行組織との関りを絶つのも困難です。

そして、コンビニバイトの不祥事と同じく、このような犯罪は、深刻な労働者不足の問題を抱え続ける日本で、ますます増えていくし、完全な対応策も具体的にはないというのが現状なのです。

 

まとめ

これからの日本では、確実に「労働力の質の低下」が社会問題になります。質というのは、競争と淘汰によって高められるもので、そのためには数の多さが必要です。

「質より量」という言葉がありますが、「質は量から生まれるもの」なのです。

肝心の量が増えることのない日本の社会では、今後確実にあらゆるサービスの質が低下していくことでしょう。そして、それは探偵も例外ではありません。

探偵業は、調査能力という表向きの質に加え、他人の個人情報を扱うゆえの「モラル」という質も重要です。

今のところ、探偵の不祥事はそれほど表に出てきていませんが、いつか、「探偵が(もっと金になるからと)依頼主を脅迫したり」「ウケのよさそうな動画をyoutubeに流したり」「調査技術を悪用して窃盗などの犯罪を起こしたり」という目も当てられない状況に直面するかもしれません。

探偵業界の質の低下を抑えるため、私一人が気炎を吐いてもどうしようもないですが、せめて【もり探偵事務所】では、質の低下(調査技術・モラルともに)がないように気を引き締めていかねば、と決意をあらたにして、今回の記事を締めたいと思います。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影に特化した福岡県の【行動調査専門】の私立探偵です。