友人探偵の浮気調査 その1

「浮気調査 自分でやる」「浮気証拠 自分で」といった具合で検索して、探偵に依頼することなく、なんとか自分で浮気調査をできないかと考えるひとは大勢居ると思います。

私も、探偵になっていなければ、あるいはそのように検索して料金をかけずに済むようにしたかもしれません。

特に、行動調査は端的に言ってしまえば「コッソリ相手についていく」というシンプルな行為ですから、行動力のあるひとや、アグレッシブな性格のひとであれば、「自分でもできる」と考えても無理はありません。

しかし、このとき一番問題になるのが、「顔バレ」です。

自分の配偶者なり恋人なり身内なりを尾行するにしても、相手には完全に顔がバレていますから、そう簡単にはいきません。

 

相手に筒抜けの自分

我々、プロの探偵であっても、完全にこちらを覚えられた対象者を尾行することは非常に困難です。

まず、そのような状況に陥ること自体ものすごくマレですが、仮にそのようなシチュエーションになれば、即刻調査を中止するか、かなりの時間延期して、なおかつ顔バレした調査員は交代させて二度と現場に近づけさせません。

一般の方だと【変装】ということが頭に浮かぶかもしれませんが、自分のよく知る相手というのは、実は顔だけで認識しているわけではありません。

体格や骨格、手足の動かし方、歩き方から、重心、姿勢、服装の傾向、カバンや小物の種類と身につけ方に至るまで、外見の情報をトータルで組み合わせた全体の雰囲気として知覚します。

だから、自分が思っている以上に、親しい人物からはすぐに自分だと判断されてしまうわけです。下手に変装して顔だけ隠しても、かえって目立ってしまうでしょう。

 

頼もしい友達

探偵には依頼しない、でも自分の顔はバレているからできない。……こんなとき、もっとも多いのが、友達に頼むという方法です。

中には、頼まなくても向こうから「自分がやる!」と申し出てくる意欲的なひとも居ます。

私が見てきた中では、こういう【素人探偵の友人】には、女性が圧倒的に多いです。

これは、男性というのが、自分の友達に「……実はヨメが浮気しててさ……」なんて相談をあまりしないことに関係しているかもしれません。

対して女性は、わりと自分の恋人や夫の悩みを友達に相談する場合が多く、また女性にはハラの据わった、大胆な性格のひとが多いのか、最初は「自分のパートナーの浮気の悩み相談」だったつもりが、気がついたら「私に任せて」という浮気調査相談になってしまうことがあるようです。

 

離れていても目につく「緊張」

自分でやる浮気調査のもうひとつの問題点が、「緊張感」です。

顔を知られている相手を張り込み・尾行していると、「バレていないか」とひどく緊張してしまうのが普通の人間の感覚です。

マレに頭に血が上りすぎてそういう緊張感が欠如しているひとも居ますが、それはそれですぐに失敗してしまうでしょうから別の意味で問題です。

先ほど、「相手から知覚されるのは単に顔の形だけでなく、全体的な雰囲気だ」と記しました。この雰囲気の中でも、殺気というか、真剣味というか、異様な緊張感ほど他人から目につくものはありません。

かつて、【探偵学校】の授業を見学する機会がありました。

課題は、福岡市の都心部にある建物から出てくる講師役の探偵を捕捉し、追跡するというものでしたが、その建物の出入口付近には、ギラギラした目で異常な雰囲気を発散する、「探偵志望の男女十数人」が、おのおの妙に不自然な格好で散らばり、視線だけはジットリその建物のエントランスに注いでいるという状況でした。

あたかも全員が決死の覚悟のヒットマンで、建物から出てくるターゲットを狙っているかのような鬼気迫る雰囲気は、百メートル先からでも目につきそうでした。

よく通報されなかったなと思います。

 

他人事ならではの落ち着き

話を戻すと、「友人探偵」は、その点、あまり緊張することがないという特徴があります。「他人事」だからです。

だいたい、自分から探偵の真似事をしようと言い出すくらいですから、神経質で繊細なタイプよりも、どちらかといえば楽観的で大雑把な性格のひとが多いはずです。

よくも悪くも他人事ゆえに、それほど緊張することなく、大胆に調査できるというのは、強みと言えるかもしれません。

【2019年の探偵志望者へ】という記事でも書きましたが、行動調査で大事なものは言ってしまえば「センス」です。

センスは、経験に関係なく持っているひとは生まれつき備わっているものですから、素人である「友人探偵」の中にも、調査センスのあるひとが居ること自体は否定しません。

「自分が調査してみる」と言い出すだけの自信や、行動力や、性格の強さがあるひとは、傾向的には探偵向きで、少なからずセンスがあるひとが多いのも事実です。

「できるだけ無理をしないように慎重に」とお願いすれば、自分でやるよりは結果が見込めるかもしれません。

 

プロとアマチュアの違い

しかし、「友人探偵」に頼む際、気をつけなければならない点があります。それはいくら行動的で機敏で目先の利くタイプであっても、アマチュアであることです。

プロとアマチュアのもっとも大きな違いは何か。それは、経験でも、センスでも、知識でも、スキルでも、機材でもありません。【責任感】です。

他人事という意味では、プロの探偵も友達探偵も変わりなく、むしろ、友達のほうがある意味では親身になってくれるとも思えます。しかし、同じ「他人事」に対して、どこまで責任を負うかというシビアさは、プロの探偵と友達では次元が違います。

離婚を前提とした浮気調査には、依頼したひとのその後の人生がかかっています。

それでなくても、他人を監視し、追跡して、行動を調べるという行為は、その相手に対して多大な責任を負います。適当な真似は許されません。調査結果いかんによっては、調べられる相手も大きく人生が変わりますから、そこに、「嘘」や「なんとなく」があってはいけないのです。

 

それをよく現した事例があります。【その2】 に続きます。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影に特化した福岡県の【行動調査専門】の私立探偵です。

 

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