友人探偵の浮気調査 その2

【友人探偵の浮気調査その1】からの続きです。

探偵には依頼したくない、かといって自分の顔は対象者に知られている……ということで、友人に浮気調査を頼む場合があります。

それで上手くいくことがないわけではありませんが、取り返しのつかない事態になるケースがもあります。その一例を記します。実際に起きた事例です。

 

登場人物

【依頼人】

最近の旦那さんの様子に疑惑を感じてはいるものの探偵にお金をかける踏ん切りがつかない三十代女性。

【友人探偵】

依頼人の学生時代からの友人。元運動部。好きな女優はミラ・ジョヴォヴィッチ。

【Aさん】

依頼人の夫。バイヤー系自営業者。精力的で酒と人付き合いが好き。

【Bさん】

綺麗系美人ではないが、色気のある男好きするタイプ。本人も自覚してそう。

 

友人探偵の調査事例

高校からの付き合いである女友達から、旦那さんの浮気について相談を受けた友人が居ました。

その男性Aさんとは会ったことはありませから安心して近づけます。

「探偵に頼んでお金をかけるくらいなら、私がやってあげるから今度スィーツでもおごってよ」

友人はそう言って、探偵役を申し出ました。

 

接触

とある日の夕方。調査対象者であるAさんは、取引先の関係者であるBという女性と、繁華街のビル一階にあるカフェで落ち合いました。

Bさんは、同じ女性から見ても華があり、服装や仕草から「自分は男にモテる」という意識が透けて見えて、同性からは嫌われそうなタイプです。友人探偵もいい印象は持ちませんでした。愛想よく話すAさんも、なんだか鼻の下を伸ばしているようにも見えます。

友人探偵は話でも聞けないかと同じカフェに入り、すぐ隣の席に付きました。

二人は熱心に話しています。友人探偵はとりあえず、あらかじめ【無音カメラ】のアプリを入れておいたスマホで二人を写します。

シャッター音はこそしなかったものの、不慣れでついスマホを不自然な角度で向けてしまい、Aさんにジロリと見られました。

顔を合わせたことがないといっても、仲のいい友達の旦那さんですから、席が近すぎて顔を覚えられるかも……と少し不安になってきました。今頃になって、さっきスマホで撮ったとき、不審がられたんじゃないかとドキドキしてきました。

二人の話は続きますが、友人探偵のほうは一人客ですから長居は不自然のような気もします。仕方なく友人探偵は先に店を出ました。

 

張り込み

友人探偵は店の出入口付近でじっと待ちますが、それでもなかなか出てきません。

実はAさんとBさんは本当に仕事だけの付き合いで、商用だからこそ話が長引いているのですが、そんなことはこの時点ではわかりません。

友人探偵は張り込みを続けますが、繁華街にあるカフェの前で女性一人、ひたすらぽつんと立っているのは目立ちます。他人の目も気になりますし、キャッチにも声をかけられてうっとうしいです。

膝も腰も痛くなってきました。気を張ったせいか無性にタバコも吸いたくなったし、カフェでコーヒーを飲んでトイレにも行きたくなりました。

それで友人探偵は少し離れたコンビニに移動しました。しばらく遠目に観察しますが、いっこうに出てきません。仕方なくカフェに引き返し、何気なく中をチェックすると、すでに二人は消えていました。

 

友人探偵の報告

探偵としては完全に落第ですが、友人探偵は正式な仕事でやっているわけではありませんから、特に責任を追求されたりはしません。その日、Aさんが帰宅したのは夜遅い時間。酒気帯びでした。

友人探偵は、この結果を、「キレイな女とカフェで会って仲良さそうに話していた」と報告しました。それ自体は事実だからです。

それから無音カメラで撮った店内でのふたりの写真を見せました。撮ったときに手が震えたせいか、思っていた以上にボケていました。

実は【無音カメラ】はスマホの通常カメラに比べて性能が低く、室内など暗い場所だとブレてしまうものが多いのです。相手の顔は第三者から見るとイマイチ判別できないレベルでした。

この中途半端な報告は、「Aさんが遅い時間に帰ってきた」という事実と結びつくことで「密会した女と遅くまで一緒に居た」に変化し、やがて依頼人の中で、「旦那は美人の女とラブホテルにでも行っていた」という妄想にまで膨らむことになります。

 

その後の話

わかりやすくするためにかなり単純化はしていますが、この事例は実際にあったことです。

その後の話をすると、友人探偵は、気軽に引き受けた探偵役が、実はけっこう大変で、面倒くさく、肉体的にもキツかったため、二度目引き受けることには難色を示しました。

それで、それからのAさんBさんについて、新しい事実は何もつかめませんでした。二人が結局男女関係にあったかどうかの裏も取らないままです。

しかし、「女と接触したこと」自体は真実であったため、一度根付いた妄想と不信感はどんどん膨らみ、やがてその依頼人は、旦那であるAさんを問い詰めます。

旦那さんは「ふざけるな。証拠でもあるのか!?」と激怒しました。そこで、依頼人は「友達が見た」とそこで初めて告げました。カフェで撮ったスマホの写真も見せます。

もし仮に浮気が本当であれば、このハッタリも多少は有効だったのでしょうが、Aさんはさらに怒りに油を注がれ、「デタラメなこと言うその友達を連れてこい! 話させろ!」と詰め寄ります。

知らないうちに隠し撮りされていたことは、Aさんにとって許しがたいものでした。いかにも素人が撮ったボケボケの写真であることが、余計に怒りをあおりました。

 

そして相談へ

そこで初めて自分の責任を問われることになった友人探偵ですが、もちろん明確な証拠は何もなく、非常に厄介な立場に立たされます。

ちょっとした好奇心と冒険心、そして友情のつもりで関わった件なのに、夫婦喧嘩の矢面に立たされて、一転して大ピンチです。

そこで、友人探偵は「こうなったらプロの探偵に頼むしかないよ。そしてきちんとした証拠を取ろう。多少の出費は仕方ないし」と言い出しました。

もり探偵事務所に浮気調査相談の電話が来たのは、そんな状況になってからでした。

 

その3へ続きます。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影に特化した福岡県の【行動調査専門】の私立探偵です。

 

こちらの記事もどうぞ 【素人調査にご注意】 【証拠の確保】