友人探偵の浮気調査 その3

その2からの続きです。

「顔を知られていないし、私が探偵してあげる」と快諾してくれた友人。しかし、調査の現場は思ったより辛く、ちょっとした油断で中途半端な結果に終わります。

女性と接触自体はあったため、それを報告したところが、適当な調査結果を突きつけられた対象者は激怒。事態は面倒な方向に進みます。

そこでようやく、「お金がかかってもプロになんとかしてもらおう」という話になったのですが……。

 

平行線の面談

そんな状態で、もり探偵事務所に相談の電話がきました。

電話をかけてきたのは友人探偵でした。面談の日、依頼人と友人探偵は一緒に事務所に来ました。面談中、終始会話を主導したのも友人でした。

私は、身内でもない女性がどうして面談に同席するのか、しかもなぜ当事者でもなく、依頼料を払うわけでもないこの人物が、ベラベラ率先して喋っているんだろうと不思議でした。

「高校からの付き合いの友人」と自己紹介された後、なるほどその当時からこういう力関係の付き合い方だったんだろうな、とふたりの関係性が透けて見えるようでした。

しばらく話を聞き、ようやくすべての事情が飲み込めました。先に記した通りのてん末です。

この友人探偵は、友人の問題が心配というより、自分の立場をフォローすることにやっきで、なんとかこんがらがった事態を軌道修正しようとしているのだと理解できました。

 

荒らされた現場

すでに対象者のAさんは、自分が疑われ、調査されていると知ってしまったあとであり、しかもカフェで隠し撮りされたことで、警戒心もマックスになっています。現場は荒らされていて、率直に言っても通常の調査では難しい状態でした。

しかし、この友人探偵は、自分の行動の結果そうなったと責任を負いたくないからか、「そんなに難しい依頼じゃない」「Aさんはけっこうボーッとしてるから警戒していない」「浮気相手はもう特定できているからあとは簡単」と、楽観的なことを口にします。

自分の保身しか考えていない友人に少し腹が立った私は、つい「なんでそんな状態にしてしまったあなたがそれを言うんですか」と、言っても仕方ないことを口にしてしまいました。

そして「調査できないわけではないが、人数や調査手法など、どうしても割高になってしまうのはご理解ください」と依頼人の目を見て告げました。

 

決裂した面談

対象者Aさんのように、自分が調べられ、隠し撮りされたと知ってしまった相手の調査依頼は、多くの探偵事務所や興信所が、「この状態では調査はできない」と難色を示します。

引き受けるだけ引き受けて、「結局、近づけませんでした」とまともな調査をせず、着手金だけ取ろうとする探偵も居るかもしれません。

警戒しきっていて、しかも潔白の可能性がある相手の行動調査は、相手に捕まって詰め寄られたり、不審者やストーカーとして警察に通報されるという危険性が高いからです。

業界では、他の誰かが失敗して警戒された相手の調査を尻拭いすることは、非常に嫌われます。

それでも、もり探偵事務所では、少しでも事態を打開するため、様々な別の手法を検討します。

結果として、人員や車両、機材の手配などで経費がかかったり、普段より効率的な調査ができないことによる長期化で、割高になってしまうのは避けられないのです。

(だからこそ、以前にも【素人調査にご注意】という記事を書いたわけです)

 

キレる友人探偵

私なりにプロの良心からの提案だったのですが、しかし、私のこの説明に、なぜか友人のほうが腹を立てました。

「自分のせいで料金が高くなった」ということにしたくなかったのでしょう。「相手も判明していて、あとは写真撮るだけなのに割高になるなんておかしい」と言い出しました。そして「他をあたります」と言って、勝手に面談を打ち切ろうとしました。

私は、売り言葉に買い言葉にならないよう気をつけながら、依頼人のほうに向けて告げました。

「よそで面談して見積もりをとる際は、必ず今の状況を隠さず伝えてください。正直に話すと料金を高くされそうだからといって、事実を隠すと、探偵との信頼関係が築けず、絶対にあなたにとってもマイナスになります」

そして最後に「あなた自身の依頼ですから、ご友人ではなく、あなた自身がしっかり考えて決めてください」と付け加えました。

 

この事例の結末

その日の面談はそれで終わりましたが、後日、その依頼人から電話がありました。友人がネットで探した何件かの探偵・興信所をあたってみたけれど、うまく話は進んでいないという内容でした。

調査に前向きな探偵も居たようですが、「そんな状況だと、もうGPSメインでの間接的な調査しかできない」と言われたそうです。

しかも、「GPS装着は依頼人自らやるように」という条件だそうでした。

「それについてどう思われますか?」と質問されたので、「それもひとつの手段ですが、個人的には避けたほうがいいと思います」と述べました。

警戒している相手には、GPSが簡単に見つけられ、回収される危険があるからです。

おそらくその探偵が「依頼人に自分で付けるように」指示したのも、そのリスクを負いたくないからだろうと推測しました。

しかし、依頼人の心境としては、これ以上自分たちが動くことには抵抗がある様子でした。GPSを紛失した場合の保証金が高額だったこともそれに輪をかけました。

結局、私がその案件を引き受けることになりました。「GPSを使わなくても調査が可能」というもり探偵事務所の強みが、依頼する判断材料になったとのことです。

 

友人探偵への依頼

「探偵に頼んでお金をかけるくらいなら、私がやってあげるから今度スィーツでもおごってよ」

セリフとしては軽妙痛快で、そんなふうに言ってくれる友達はカッコよく、頼もしくもありますが、当然のことながらスィーツの代金分の責任感しか負っていません。

他人事ゆえに、恐れ知らずにグイグイ調査できて、ひょっとしたらそれなりの働きを示すかもしれません。しかし、他人事は結局はどこまでいっても他人事です。

事態が思わぬ方向にこじれてしまった場合に、責任を取れるかといえば、その期待はあまり見込めません。

もし友人探偵に調査を頼み、失敗して、正式に探偵に依頼することになった場合、どんなに腕のいい探偵であっても通常の調査と同じやり方というわけにはいきませんから、割高になってしまう可能性があります。

その差額を払ってくれるほど責任感のある友人であれば、頼んでもいいでしょう。

しかし、いざ自分のせいで依頼料が高くついてしまうことになったとき、「なんで私がその分払わないといけないの」という態度に出そうな相手には、お願いしないほうが無難です。

なぜなら、「浮気に関する問題」は、最終的には「お金がからむ問題」でもあるからです。

 

最後に

浮気問題は、最後には必ず「金銭の問題」に発展します。離婚となれば、慰謝料や財産分与の話になりますし、浮気相手に賠償請求をすることもあるでしょう。

友情を大事にするからこそ、「お金や責任が絡む問題」には巻き込まないというのが、本当の友達付き合いではないでしょうか。

パートナーの浮気問題でメンタルがズタズタになった依頼人に、友達としてしてあげられることは他に必ずあります。

それは、親身になって話を聞くこと、辛いときに側に居てあげること、友達としてずっと精神的に支えてあげることです。

少なくとも、面白半分の探偵ごっこ(経験上あえてこんな嫌な言い方をします)ではないというのが、長年色々な「友人探偵」を見てきた私の個人的な意見です。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影に特化した福岡県の【行動調査専門】の私立探偵です。

 

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