業績好調の企業のリストラ

東京商工リサーチによると、2019年度、リストラによる退職者数が六年ぶりに一万人を超えたそうです。

これまでの不況時(たとえばリーマンショック)と違って、企業の業績は好調、内部留保もたっぷりで、会社の体力は安定しているのにも関わらずです。

特に、会社の将来の担い手であるはずの40~50代の希望退職を募っているとの話。

どう考えてもこれは、今後の日本の経済が落ち込んでいくことを見越しての口減らしでしょう。

2020年はオリンピックもあります。オリンピックのあった年を境に景気が落ち込んでいくのは、よく知られたアノマリーです。

 

希望退職者のその後

さて、早期退職の希望を出し、働き盛りで会社を辞め、その代わりとしてまとまった金額の退職金を手にしたひとびとがその後どうするか。

その中の少なくない人数が、独立・開業の道を選ぶのでは、と思います。

気力・体力ともにまだまだ充実した年齢で、長年務めた仕事の経験や知識も豊富、培ってきたスキルや人脈もあり、それなりの資金も手元に持っている。

なにより、不本意なリストラをされたことで、野心と反骨心も燃え上がっている。

そんなひとが一国一城の主として旗揚げするのはごく自然な流れかもしれません。

個人的な意見を述べるなら、私はサラリーマンを続けたほうが絶対にいいと思っています。絶対に。

しかし、退職候補者として上に目をつけられながら、肩を叩かれ続けてまで会社に居座る苦しさは、私のような私立探偵には想像を絶するものがあります。

 

競業避止義務

会社を辞めたひとが、第二の人生を独立開業でスタートさせると決意したとして、では何を始めるのか。

一番手堅く現実的なのは、これまでやってきたのと同種の仕事を選ぶことでしょう。知識・経験・スキルのすべてを流用できますし、日々の業務にも大きな変化がなく、ストレスや不安も少ないはず。

しかし、それまで雇っていた企業からすると、辞めた社員が強力な競合他社になるのは避けたいところです。技術や企業秘密、顧客の流出の危険性もあります。

そこで、多くの企業が、退職者に対して「一定期間内は同業他社として起業することを禁じる」規則や誓約書を設けています。(『競業避止義務』といいます)

法律ほどの強制力はありませんが、莫大な損害賠償を請求される危険性があります。(実際、これに関する調査を私たち探偵が手掛けることもあります)

そんなわけで、慣れ親しんだ業務とは別の仕事で独立開業することになるのが現実のようです。

 

探偵・調査事務所開業という選択

これまでとギリギリ類似する別の仕事を考えるひとも居るでしょう。若き日に忘却の彼方へ押しやった夢を、もう一度追いかけるひとも居るでしょう。そして、中には、「依頼人から報酬を受けて身を立てるプロフェッショナル」……つまり、探偵になりたいと考えるひとも居るようです。

かつて、「探偵開業」がブームになった時代が、私の知るだけで二度ありました。

2000年頃と2008年頃。そう。『就職氷河期』と『リーマン・ショック』です。

これらの不安定な時期、全国各地で探偵・興信所・調査会社が急増しました。もちろん福岡でもです。

かくいう私も2000年開業組です。当時の冷え込んだ先の見えない世の中の暗さといったら、筆舌に尽くしがたいものでした。

そんな不安な時代だからでしょう。「探偵として身を立てたい」と願うひとが増え、そんな探偵志願者を対象にした新しいビジネスが誕生しました。

『探偵学校』と『探偵フランチャイズ』です。

それは、同時に、世の中に『にわか探偵』が急増した時代でもありました。

私が開業した時期と重なっていたこともあって、この『探偵学校』や『探偵フランチャイズ』の内情については、何かと見聞きする機会が多かったのです。

長くなったので、続きはまた次回に記します。

 

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影を得意とする福岡の私立探偵です。