探偵一筋で生きてきた、福岡の【探偵ブログ】

【増えるか、福岡の探偵事務所1】の続きです。

リストラ時代を迎え、福岡で探偵・調査事務所を独立・経営する探偵が増えるかも、という話。今回はもう少し突っ込んだ「探偵学校」「探偵フランチャイズ」について話します。

『探偵学校』とは

2000年前後の就職氷河期。そして2008年頃のリーマン・ショック。

不安な世相を反映してか、「手に職を」ということで、探偵の就職・独立開業を支援する『探偵学校』なるビジネスが流行りました。

それまでにももちろん、『探偵』も『調査員』も存在していましたが、それを育成する学校なんてものは、業界の常識からすれば、驚くべきものでした。

調査員になるための、あるいは探偵として独立するための唯一の方法は、調査会社に就職して修行することだったからです。

探偵学校は、『調査員コース(就職)』と『独立開業コース』とにわかれ、私が覚えている限りでは、前者で30万前後、後者は50万超といった学費でした。

それなりの金額ですが、学生や主婦でもねん出できない金額でもないところが上手い価格設定だと思います。ましてや、この金額を払えば、憧れの「探偵」になれるのであれば、飛びつくひとも多いはず。

 

探偵学校の知られざる内情

私自身、知人の探偵がこの探偵学校の講師をしていたこともあり、内情はよく知っています。

調査員コースには老若男女さまざまな探偵志望者が居ました。独立開業コースは、やはり40代~50代男性が多かった印象です。

『探偵学校』の経営母体は全国チェーンの調査会社で、調査員コースの卒業生は皆、その調査事務所に就職するシステムになっていました。

独立開業コースの卒業生は、そのほとんどがフランチャイズ契約を結び、ロイヤリティを支払って、その全国チェーンの調査会社の支部になりました。

これは、思わずうなってしまうほど、よくできたビジネススキームでした。むろん、探偵学校経営サイドにとって。

この話は広げると長くなるので、詳しくはいつかまた別の機会にお話したいと思います。

 

福岡の探偵学校卒業者と探偵フランチャイジーの悲しいゆく末

とにかく、まとまった金額を手に入れ第二の人生をスタートするにあたり、「探偵」を選ぶひとは意外に多く、またそういうひと向けのビジネスとして、『探偵学校』と『探偵フランチャイズ』が存在したわけです。

結果だけ記すなら、私の知る100人以上の探偵学校卒業生で、今も探偵を続けられているひとは『ゼロ』です。

同じく、20社以上知っているフランチャイジーで、今も生き残っている探偵事務所・調査会社は、わずか二社。それも福岡ではありませんし、すでにフランチャイズ契約は打ち切っています。

調査員として就職した探偵の多くは半年も経たず辞めました。早いひとで三ヶ月、長くても一年。最長で、たったひとりだけ六年続いた調査員が居ましたが、それは例外中の例外です。

フランチャイズで独立したひとはもっと悲惨で、ロイヤリティとして200万だか300万支払ったにも関わらず。やはりもって半年~一年、長くても三年以内に看板を下ろしました。

中には、ほとんど依頼を取れなかったひとも居ました。虎の子の退職金や、長年の貯金、親の遺産などを食いつぶしての結末です。

それに対し、「経営努力が足りないからだ」と言うのは簡単です。実際、フランチャイズビジネスをやっている本部サイドは、(探偵・調査業界に限らず)どこもそういうスタンスでしょう。

しかし、一番の被害者は、そんな、一年未満で廃業する探偵事務所や調査会社、数ヶ月で辞めてしまうような調査員を信じて依頼してしまった依頼人です。

実際、2000年と2008年のにわか探偵事務所急増の時期は、クレームやトラブルも実に多かったようです。

 

現実的な「探偵開業の道」は?

以前書いた【2019年の探偵志望者へ】という記事で、私は「探偵としてやっていくために必要なものは、【資金】か【センス】か【運】だ」と話しました。

これらは探偵学校に通えばどうにかなるものでもありません。

『センス』は教えられるものでもないし、『運』はコントロールできません。唯一コントロールできるのが『資金』ですが、学校に通ったりフランチャイズ契約をすることは、この資金をいたずらに減らすだけとも言えます。

ですから、もっとも現実的で効果的な「探偵になる方法」は、「たっぷり貯金を手元に残した状態で、調査会社に就職し、とにかく経験を積み、それから独立すること」に尽きます。

ただ、早期退職で会社を辞めた、未経験の40~50代を調査員として雇う調査会社は、おそらく皆無でしょう。

そうなると、次に現実的なのは、手元に充分な経営資金をもったまま探偵事務所を開業し、調査経験者や営業経験者を雇い、自分は一切現場にはタッチしないこと……でしょうか。

なんにしても、一番の悪手は、高いお金を払ってフランチャイズ契約をしたのち、探偵事務所の看板を掲げることに間違いありません。

 

福岡の探偵業界の今後

『探偵学校』『探偵フランチャイズ』のブームは、もうすでに過去の話です。

しかし、今後リストラ時代が到来し、再び『探偵ブーム』が起こり、全国でも福岡県でも、にわか探偵が急増する可能性は充分にあります。

ましてや、SNS全盛のいま、「目立つ」スキルに長けたひとほど、見せかけの『安心』や『信用』を演出できる時代です。

つい最近退職金で探偵事務所を開業したような素人でも、インターネットマジックによって、長くやっている経験豊富なプロフェッショナルっぽく見せかけることは可能でしょう。

そして、そんな経験の浅い事務所が、ネットを上手く使って派手に集客したものの、上手く依頼をこなせず依頼人にマイナスを与えることだってあり得る話です。

また、資金面で余裕のある新規参入組が、採算度外視の安値攻勢をかけ、既存の業者と体力を削り合い、共倒れするおそれだってあります。

それにより、業界自体が深刻なダメージを受けることがなければ……と、SNSがいまいち苦手で、長年やっているのにあまりそういう風には見られないもり探偵事務所代表は危惧しております。

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影を得意とする福岡の私立探偵です。