面談

探偵選びの方法は? 良い探偵に頼めるかは運次第?

探偵で失敗した方からの相談が急増

何度も何度も書いていますが、最近は、本当に本当によく「他の探偵で失敗しました」という話を聞かされます。

これには以下のような理由があると分析します。

①悪質な業者の割合が増えた

②そういう業者の手口が巧妙化

③露出度の高い探偵(検索順位・マッチングサイト)に悪質なのが多い

④もり探偵事務所の信用が増した (だから失敗した依頼人からの相談が急増している)

 

とくに他県の相談者からの失敗談や相談が多くなった気がします。

こういった人たちが直接依頼に結びつくことはあまり多くありません。

まず第一に、「探偵への依頼が失敗した = 大金を取られた」なので、たいていはもう、もり探偵事務所に依頼するだけの予算が残っていないからです。

第二に、私が引き受けるにしても、最低限の交通費や滞在費用などで、どうしても余計な経費が生じてしまいます。(それでも依頼したいという方も居ますが……)

そんなわけで、他県在住で、地元の悪徳探偵にボラれた方は、見込み客にもならないんですが、私はつい時間を割いて相談に乗ってしまいます。

これはもう、性格的なものでしょうね。探偵としての矜持、と私は思っていますが、スタッフは「お人好しすぎる」と呆れます。

 

探偵への依頼は自己責任……とも言えなくなっている

基本的に、探偵への依頼は自己責任。

失敗したのは依頼人さまに「真剣に業者を探す努力が足りなかったから」という気持ちは、私にも少なからずありました。

しかし、話を聞いていると、必ずしもそうではないことが分かってきました。

いまや、本当に探偵選びは困難であり、私が同じ立場だったとして、ちゃんと腕が良く、良心的な探偵を探せるかは、自信ありません。

誰かの紹介でもない限り、昨今の探偵選びの基本は、ネットにおける情報収集になります。

これはつまり、ホームページと口コミ次第ということなんですが、それが恐ろしいほどアテにならなくなっているからです。

いや、私も正直ドン引きするくらいに。

 

探偵への苦情5パターンと、現実の裏付資料

悪質探偵への苦情はだいたい以下の5つに集約されます。

・高額

・まともに動いてくれない

・報告書がショボい (もしくは無い。LINEのやり取りだけ)

・腕が悪い (バレる。証拠を取れない)

・ガラが悪い

 

最近のもうひとつの傾向として、他の探偵社の「報告書」「契約書」「LINEのやり取り」を、提示されるということがあります。

だから上記の5つは、私がテキトーなことを言ってるわけでも、相談者の妄言でもありません。

もちろん相談者さんも、ダレカレかまわず部外秘であるはずの各種資料を見せまわっているのではないはず。

じっくり話して、私をマトモな探偵と信用してくれたからこそ、見せてくれるのでしょう。

じつは探偵同士、横のつながりがあっても、それはオモテの顔を見せ合っているだけ。

同じノレン元とか、資本的なカラミでもない限り、同業者の真実の姿は知り得ないのです。

 

普段どういう態度で依頼人と接しているか。

じっさいに、どんな調査をして、どんな報告書を作るか。

料金はいくら取るのか。

LINEでどういうやり取りをしているか。

それらはすべて謎だったワケです。だから、相談者からもたらされる、【同業者の真実の姿】というべき各種資料は、じつは大変に価値ある情報なのです。

そしてその真実は、醜く、呆れ果てるくらい低レベルなものでした。このへん書き出すとイヤな気持ちになるので、このくらいで。

 

さて、話を戻しましょう。悪質な探偵の「ボッタクリ契約書」「低レベル報告書」「品のないLINE」を見せられている……というところです。

その悪質業者の具体的な屋号も聞きました。ここからが本題です。

もちろん、私からその探偵社に対して、何かしらアクションを起こすことはありません。

でも、いったいどういう手口で依頼人をだますか、それを知ることは、けっしてムダじゃないはず。

それに、相談者から必ずこう聞かれるということもあります。

「じゃあ、もりさん。……どうやったら、マトモな探偵を探せるんでしょう……?」

 

どうやったらマトモな探偵、良心的な探偵を探せるか?

以前の私であれば、こう答えていました。

「とにかく、口コミやホームページをじっくり検討することですね。大体は自作自演してますが、それでも良く見れば不自然なところや、一定の傾向が見られるはず」

しかし、名前を聞いた何社かを見てみて、自分が間違っていることに気づきました。

どこの口コミも、非常に好意的かつ自然な投稿が、たくさん書かれているからです。

一瞬、名前を間違えたかと思いました。別のところを検索してしまったのかと、本気で思ったくらいです。

直近で名前を聞いた、悪質な調査会社。もちろん名前は伏せますが、相談者さんはこう言っていました。

「100万を超える高額を請求され、まともに動いてくれず、不信感から解約を希望したのに、取り返せたのは半分以下……。少額訴訟も考えています」

けれども当のその探偵の口コミを見たら、絶賛の嵐なのです。

「低価格で良心的!」

「ほかよりも圧倒的に安かった!」

「すばらしい費用対効果!」

「代表者●●さんの誠実な人柄と確かな技術!」

「別の探偵がダメだった件も見事解決!」

 

目をゴシゴシしながら、名前と所在地を確認しましたが、間違いありません。

とても、「100万以上ボッたくって、マトモに仕事もせず、返金にも強硬に応じず、消費者センターに通報され、少額訴訟を起こされそうな悪質探偵」とは思えません。私はマボロシでも見ているのでしょうか……?

おそろしいのは、そういった口コミが、同業から見ても巧妙に、自然に書かれていることです。

自作自演口コミの特徴として、「一件のみの投稿」「似たような定型文」「不自然な説明口調」といったものがありました。(もはや過去形)

ですがこの探偵社の口コミは、そのあたりが、モノの見事にボカされていたのです。

 

他の業者も似たようなものでした。

映っている写真がすべて「対象者が調査員を睨んでいる写真」という凄まじい報告書の探偵の口コミには、

「絶対の安心感。プロ中のプロ」「最精鋭の技術を持った最高のスタッフ」みたいなことが書いてありました。

その基準値で表現すると、私などもはや生きた伝説、レジェンド探偵ということになりそうです。

聞いてもなかった追加料金を、無慈悲で酷薄なLINEでガンガンに詰めてくる、えげつない探偵……。

口コミにはもちろん、

「親身で優しくとても誠実な対応」「腕がいいのはもちろん、人柄に惚れた!」「安心の明朗会計」と書いてありました。

その相談者さんは「人間不信、探偵不信でアタマがどうにかなりそうです……」と話していました。

さもありなん。私も見ていたら脳みそがバグりそうで、とてもそれ以上、口コミやホームページを見ていられませんでした。

 

【良い口コミ】が本当かは 見分けがつかない

ちょうどつい最近もり探偵事務所も、依頼人さまから好意的な口コミを頂いたところでした。

直近数件の依頼人さまは、みんな本当に感謝してくれて、「もり探偵事務所に頼んで良かった」と、嘘偽り無しに言ってくれたんですが、口コミまで書いてくださったのは、一人だけでした。

その口コミは、本当に、依頼人さまが面と向かって言ってくれたことの文章化です。がんばって仕事して良かったな、と私も思いました。

けれど、相談者さんが夜も眠れないくらい悔しい思いをさせられた悪質探偵社の口コミも、うちと同じような内容が書かれていたのです。

これでは、口コミによる「良心的な探偵・悪質な探偵」の選別なんて、事実上不可能です。

 

ここで、さきほどの質問に戻ります。

「じゃあ、もりさん。……どうやったら、マトモな探偵を探せるんでしょう……?」

正直に言ってわかりません。もはや【運次第】という気すらしてきます。

私をはじめ、マトモな探偵も必ず居ますから、そこにうまく巡り会えるかという「縁と運」。もはや、これしかないのかも……。

むろん、じっさいに探偵に依頼した方からの、直接紹介であれば、大丈夫でしょう。

(ちなみに弁護士からの紹介は、ピンキリのようです。私が聞く限り)

 

最後に「ますます困難になっていく探偵選び」

探偵選びはますます困難になっていくようです。

私は、自分が探偵を探す立場でなくて、良かったなと思います。

少なくとも自分は、目の前の依頼人と調査に集中し、誠実な仕事をすることだけ考えれば良いわけですから。

けれども、いくつもの探偵にダマされ、いっこうに抱えた問題は解決せず、深刻な探偵不信に陥り、それでも探偵を頼らざるを得ない……

そんな方は、心の底から、気の毒だと思います。早く何かしら良い解決策を考えないといけませんね……。

 

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