クチコミレビューの絶大な影響力
ネットで表示されるクチコミレビュー。
「個人の感想」とわかってはいても、その影響力は絶大です。
とくに飲食店は影響が大きく、初めて行く店はたいていGoogle Mapで検索しますから、その際に「☆３．１点」と「☆４．０点」の店が隣接していれば、後者を選ぶのが人情。
気になった店に飛び込みで入るとき、そこのクチコミが「☆１．８点」とかだったら、まわれ右してしまうかもしれません。
クチコミの中には、言いがかりに近いもの、酔っ払いのカラミのように理不尽なもの、「とってもいい店です」と書いておきながら☆の評価は３という不可解なものまで、まさにカオス。
客観的かつ公平に評価することは、とても難しいと痛感させられます。
顔も知らない、友達でもない誰かの、偏った主観
客観的かつ公平な判断が難しいのは、なにもクチコミに関してだけではありません。
自分のお気に入りのラーメン屋に友達を連れていっても、その友人にとってはイマイチってことはよくあります。
友達から「面白い」と勧められた映画が、自分にはピンとこないなんて経験は、誰にでもあるはず。
それどころか、友達が「イマイチ」と言った瞬間、美味しかったはずのラーメンが急にイマイチに感じてきたり、
自分的には面白くなかったけど、友達があんまり「最高！」とホメるものだから、なんとなく名作のように思えたり……
他人の評価というのは、つい、つられてしまうものです。
こんなふうに、ほとんどのひとが、商品や店舗を選ぶとき、クチコミに強い影響を受けていると思います。
もり探偵事務所のクチコミ評価は
もり探偵事務所も、いくつかのクチコミレビューをもらっています。人数は少ないですが、さいわい高評価のようです。
探偵は、身近でないぶん、クチコミの重要度が非常に大きい職業。
ひょっとしたら、私に相談の電話をかけてくる人のほとんどが、事前にクチコミを見ているかもしれません。
ちなみに、もり探偵事務所に書かれているレビューは、すべて誰が書いてくれたか、把握しています。
(そもそも、依頼の数が大手調査会社ほど多くないので、誰がクチコミを書いたのか、すぐにピンときます)
それぞれ、精一杯やって依頼人様にも満足してもらえた案件です。
それだけに、こうしてわざわざ書いてくれた依頼人様さまには、感謝しかありません。
クチコミ汚染とチェックツール
じつは探偵は、「自作自演レビュー」がとても多い業界です。
【Amazon】や【食べログ】も、あまりに自作自演レビューが横行しているせいで【クチコミ汚染】と言われています。
観察眼の鋭いひと、クチコミ慣れしたひとであれば、自作自演を見抜くことは難しくありません。
「投稿者の他のクチコミ件数が極端に少ない」
「日付が偏っている」
「日本語があやしい」
「似たような文脈」
「具体的な内容には一切触れず、ひたすらホメちぎるだけ」
などなど……
しかしクチコミは「書いたもの勝ち」のようなところがありますから、自作自演だろうが業者の工作だろうが、ないよりはあったほうが営業面でプラスと言わざるを得ません。
ネット通販の怪しい口コミには、有名なチェックツールがあります。
しかし、探偵の口コミ汚染には、チェックツールは普及していません。
探偵業界のクチコミ汚染
探偵という業種にとって、クチコミや☆評価は、非常に強い影響力があります。
失敗した際のダメージが、飲食店などとは段違いだからです。
しかし、【クチコミ汚染】でもっとも恐ろしいのは、なんと言っても「ライバルからの嫌がらせ」
客のフリしてライバル業者や競合に、ひどいマイナスをつける陰湿な工作です。
これに比べれば、自作自演高評価なんて、可愛いものでしょう。
先に記したAmazonや食べログなどで、すでにその被害は甚大のようです。
とくに、飲食店などは死活問題とさえなります。
「店主が横柄」
「店員が態度悪い」
「店内が不潔」
「料理が凡庸なのに割高」
「注文してもなかなか来ない」
「露骨な常連びいき」など……
主観でしかない感想を書かれただけで、「行くのやめようかな……」と、おおぜいの見込み客を、かんたんに失います。
これらは、ある意味「本物の口コミ」としても自然であり、工作ではなくリアルな口コミとしても存在します。
だから厄介なのです。
厄介な客のレビュー
顧客満足を軽視している店で、嫌な目にあったひとが、クチコミを記す。
他の客は、それを参考にして、店選びをする……
これこそが、クチコミの本来の目的です。
なのに、そこに、巧妙な嫌がらせ工作を施す。客のフリして、あることないこと書きまくる。
非常にキタナイやり口ですが、それらは実際に行われていることです。
この話は、人間の性善説・性悪説にまで及ぶ問題なので、これ以上は突っ込みません。
ですが、「ビジネスは戦争」というのであれば、クチコミこそ。
低リスク・低コストで効果は絶大という手段ですから、やる業者は平気でやるでしょう。
探偵業界のクチコミ戦争は小康状態
さて、福岡の探偵業界に関しては、今のところ、この嫌がらせ工作はないように見えます。
少なくとも、もり探偵事務所に、被害はありません。
(依頼人の数がそれほど多くないウチのような個人事務所では、依頼人はすべて把握できますから、怪しいクチコミはすぐにわかります)
探偵業界には『グループわけ』があります。
「昔から地元で頑張っている地場の探偵」
「他の大都市から福岡に進出してきた調査会社」
「全国展開している大手チェーン」
……の三つの分類です。
私はどれとも距離を置いているため内情は不明ですが、探偵業界における派閥競争が激化したら、今後はどうなるかわかりません。
汚い嫌がらせの応酬も、あり得ない話ではありません。
今は小康状態で平和が保たれていても、そこは情報と工作が専門の諜報の分野。
情報操作や裏工作は、本来お手のものであり、一度タガが外れてパランスが崩れたら、どうなってしまうことか。
むしろ、だからこそ最低限の仁義として、探偵業界は互いに不可侵を保っているのかもしれません。
クチコミは マイナスよりもプラスに
性善説に立脚するなら、企業の思惑や資本に左右されない個人のクチコミは、消費者にとって非常に有益です。
いいものはひとに広めたい。よくないものはみんなに教えてあげたい。
それはどちらも「お節介」と言うべき、思いやりの気持ちから発生しているものです。
とくに、探偵業界は密室の世界。
ネット以前は、電話帳の広告と、事務所の立地(所在地)くらいしか、消費者に対してアピールするものがありませんでした。
しかし、そこにようやく変化がおとずれ、マジメな調査会社や腕のいい探偵は、ちゃんと評価されるようになりました。
そして、悪徳業者や腕の悪い業者は、それがごまかせないようになってきたのです。
……クチコミによって。
ひとはホメ言葉より悪口に雄弁になる！
ひとは何かをホメるより、文句を言うときのほうが、雄弁になります
なぜなら、何かに満足したときは、それで気持ちが完結し、それ以上スッキリする必要がないから。
でも、何かに不満をもったときは、
そのストレスを発散させ、怒りを解消したいメカニズムが働き、『悪口』のクチコミを書いてスッキリしようとする……
それが私の口コミ分析です。
ひとは、ポジティブなホメ言葉より、ネガティブな文句をより参考にしたい性質がある、というデータもあります。
それに加えて嫌がらせ工作
本来であれば、消費者にとって大きなプラスになるはずのクチコミが、汚染され、ウサンくさい自作自演の高評価や、嫌がらせのマイナス評価ばかりになってしまっては、せっかくの『』も台無しです。
かつては別媒体の広告に大金を注いでいた企業も、ネット上のクチコミの影響力を理解し、今後はますます注力していくことは確実。
自作自演も嫌がらせも、決してなくなることはなく、クチコミはますますカオスになっていくに違いありません。
しかし、いいものを提供しようと自社努力していれば、必ずそれは、誰かに高評価してもらえる。
……クチコミにはその力があると、私は信じたいです。
