【2023年度改訂】自分でやるGPS調査のコツ1 「設置と回収について」

【2023年度改訂】自分でやるGPS調査のコツ

かつては探偵しか使っていなかったGPSもすっかり普及し、浮気調査を自分でやってみたいと考えるかたも多いと思います。

今回は、自分でGPSを使った調査のコツや注意点を紹介していきます。

すべて、もり探偵事務所が実際の現場で遭遇したトラブルや経験から得た情報です。こういった記事は無数にありますが、別の切り口として、参考になるのではと思います。

 

GPSを使うことは犯罪か

まず、一番知りたいことを記します。

「GPSを使うことは、犯罪かどうか」

結論から記すと、グレーです。夫婦であれば、相手の車に付けることはとくに犯罪には当たりません。

(婚姻関係がなく、ただの恋人関係であれば民法・刑法ともに抵触する危険性があります)

ただし、絶対クリアというわけではなく、状況によっては問題になることがあります。

たとえば、結婚前から相手が所持している車だったり、夫婦関係が破綻していれば、プライバシーの侵害だと訴えられることもあります。

設置のために、車に傷をつけたり、なんらかのパスワード類を不正解錠したりしても問題となります。

 

もっとも注意すべきは機材の設置

GPSはマグネットや両面テープなどで対象車両に設置します。

それは、プロである私たちも、一般の方がレンタルした場合も変わりません。

そして、この設置こそ、もっとも気をつけるべき最重要ポイントであることも変わりません。

事実、何百回も「GPSの設置」を繰り返してきた私自身も、設置の際はやりすぎというくらい慎重になります。

ここでしくじると、単に相手の動きが追えないだけでなく、高価なGPSを紛失・破損してしまうばかりか、相手にGPSがバレてしまうという致命的な失敗になりかねないからです。

 

失敗の各パターン

1)落下

もし付け方がマズくてどこかで落下した場合、その場所でGPSが常に反応を示すことになり、依頼者としては「そんな場所で相手は何をしているんだろう……?」と非常にモヤモヤしてしまうことになりかねません。

ひょっとしたら、ウラを取ろうと、電話やLINEで「いまどこ?」としつこく場所を尋ねてしまい、相手の返答によっては「ウソをついてる!」と早合点する可能性さえあります。

2)破損紛失

破損・紛失の際、自分で購入していても、レンタルであっても、3~6万円ほどの損失になります。

あまりお金をかけないように……と自分で用意してみたのに、不要な出費では本末転倒と言えるでしょう。

単にお金の問題だけなら取り返しもつきます。でも、落下した端末が時には大問題になることもあります。

端末を拾ったひとが爆発物や犯罪絡みと勘違いし、警察に届けるケースもあるからです。

3)発覚その1

もっとも致命的なのは、付け方や場所が悪くて相手にバレてしまうことです。そして、意外にこのケースは少なくありません。

そもそも、普通に暮らしている一般の方であれば、「何かをバレないようコッソリ仕掛ける」なんて行動に不慣れで当然です。

マグネットにしろ両面テープにしろ、車に詳しくなければ、どこに付ければ良いか、思いつかないでしょう。

GPSレンタル業者によっては、付ける箇所のアドバイスをくれるところもあるようですが、文章だけで指示されたとしても、いきなり上手くはいきません。

(説明書通りに商品を扱えるひとばかりじゃないからこそ、メーカーのカスタマーサービスはいつも激混みなのです)

 

4)発覚その2

それに加え、設置の時間の問題もあります。

たとえば車通勤の夫を調べる場合、車が自宅にあるときはフツウ夫も家に居ます。そんなときに駐車場に行って車でゴソゴソと作業すること自体不自然です。

「駐車場で作業しているとき、突然夫が現れるかも……」

そう考えて焦ってしまい、きちんと装着できず、ザツな設置になってしまう。これもよくある話です。

また、バレかたにも色々なパターンがあります。

「付けた場所が悪くてすぐに見つかるケース」「付け方が甘くて路上に落ちてしまいバレるケース」そして「付けようと作業しているところを見られてバレるケース」

理由はどうあれ、GPSがバレてしまえば、それだけで夫婦喧嘩の火種になるでしょう。付けられたほうは怒り狂い、付けたほうを激しく責めるはずです。

相手の弱みを握るつもりが、逆に自分の弱みを相手に握られることにもなりかねません。

 

付けたはいいけど……続々出てくる不安と面倒

なんとかGPSを設置して、いよいよ相手の動きの把握……といきたいところですが、今度は操作の仕方がなかなか難しいです。

勘のいいひとであれば、すぐに最低限の操作は飲み込めます。

ですが、たいていはマニュアルとにらめっこしながら、おっかなびっくり操作することになります。

位置検索は基本手動です。

相手の動きをしっかり追うためには、断続的に検索操作が必要ですが、仕事や育児などで忙しければ、なかなか数分・数秒単位での連続検索はできません。

GPSによっては、自動定期検索モードのついたものもありますが、それもまた設定が独特で、慣れないと上手くいきません。

設定したつもりが、時間や月日がズレてしまい、まったく検索されていないということは、プロでもたまにやってしまう凡ミスです。

さらに、連続検索は非常にバッテリーを食います。

一般的に出回っているレンタルGPSであれば、15分おきの連続検索を続ければ、早くて2日、遅くとも4日と持たずに電池が切れてしまいます。

この電池切れが非常に厄介です。

GPSに不慣れな人からすれば、いきなり相手の位置が検索不能になると、「バレてしまった!」としか思えないからです。

そうなれば、不安で胃に穴が空きそうなほどのストレスを味わうことになってしまいます。

(追記:2023年2月現在、GPSは自動モードが主流となっており、この問題についてはいくぶんか解消されました)

 

電池切れと充電・交換、そして回収

以上のようにGPSは、設置するのも大変で、設置したらしたで次から次に面倒の発生する困ったチャンです。

しかし、本当に面倒なのは、(まだあるの? とウンザリした声が聞こえそうですが)回収作業です。

基本的にはGPSは電池式で、持続時間は平均して3日~5日。中には一ヶ月くらい持つモノもありますが、大型で、レンタル費用も高額なので一般向きではありません。

理屈はスマホと同じで、待機時間も電池は消耗し、使えば使うほど減りは早まります。

(スマホは待受時間600時間とかですが、使いまくれば一日ももちません)

電池切れにしても、レンタル期日が迫ったとしても、もしくはうまく証拠が取れたとしても、最後は回収しなくてはなりません

GPSを自分で使ってみようと思う一般人は、ここまで気がまわらないひとがほとんどです。

(追記:2023年2月現在、最近のモデルは2週間以上電池がもつものが主流です。ただし、充電が必要なことに変わりはありません)

 

最後にして、最大の注意点

もし、付けた相手が警戒していた場合、(「どうも自分の車の動きが掴まれているように思える」「ヨメの様子がソワソワしておかしい。車で何かゴソゴソしていた」etc……)

外そうとしているところを見られたり、あるいはドライブレコーダーや隠しカメラで撮られてしまう危険があります。

最も気をつけねばならないのが、この回収作業です。

場合によっては第三者に通報されて警察が来たりもするからです。

配偶者である夫や妻の車にGPSを仕掛けても違法ではありませんが、車のところでゴソゴソしている不審な行動を見かけた第三者はそうは思いません。

また、付けるときと違って、外すときは「あれ? どこに付けたっけ……?」と場所が全然わからなくなりがちです。

(探偵ですら、付けた場所をド忘れして手間取ることがあります)

モタモタしているうちに、それを見かけた通行人から警察を呼ばれることも……

それどころか、もし目撃者が血の気の荒いひとだったら、取り押さえられたりしかねません。写真や動画に撮られて「車上荒らし発見!」などとSNSにアップされる恐れだってあります。

 

自分でやるGPS調査の注意点1 まとめ

今回は自分でやるGPS調査の注意点その1として、おもに「設置・回収」について解説しました。

脅かすようなことをたくさん列挙しましたが、ようはこれらすべてに注意すればいいということです。

設置や回収の話だけで長くなってしまったので、続きはまた次回に記します。

次は、位置検索のコツや地図の見方など、『使い方』についてもう少し説明します。

 

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