先日、私の主催で、福岡の新進気鋭の士業者を集めた交流会を企画しました。
会には、弁護士、弁理士、公認会計士、不動産鑑定士、司法書士と、錚々たるメンバーが参加してくれました。
探偵はふつう、探偵同士でしか集まらないため、こういう機会は非常に珍しいと思います。
弁護士は、業務上何かと関わることがあり、私自身個人的な付き合いをしている福岡の先生が何人か居ます。
が、弁理士や不動産会計士、公認会計士などは、探偵・調査業者はなかなか関わらない分野の先生たちなので、とても新鮮でした。
この手の集まりは、何かと「仕事をまわして欲しい」「自分への具体的なメリットはなにか」に目が行きがちで、功利的で、殺伐とすることが多いです。
しかし私は、「ふだん関わらない他業種と交流して、楽しく話がしたい」という、わりと純粋で無邪気な目的で会を企画したので、和やかで、いい雰囲気の集まりになったと思います。
探偵である私にとって、いわゆる十士業と呼ばれる国家資格保持者の先生たちは、縁の遠い、レアな職種の人々なんですが、その士業者の先生たちにとっても、【探偵】は未知の職業。とても興味を持たれました。
探偵・調査業界は、狭い世界……というより、閉じた世界です。
探偵は、誰と会っても「珍しい」とか「初めて出会った」と感心されますが、その業界に長く居る人間にとっては、とくに珍しい存在でもありません。
まわりはみんな探偵ばかり。
おまけに、職業的にも、業界を構成する人間の性質的にも、閉鎖的で、あまり外に向かって開けた世界とは言い難いです。
言ってしまえば、一匹オオカミ気質の人間が非常に多いわけです。
それは、他者に依存しない強さでもありますが、他人と関わる中での成長や変化に乏しい弱点でもあります。
それではいけない……と、意識の高い探偵・調査業者は、できるだけ研修や交流会を企画・参加しようとします。
それはもちろん間違ってはいませんが、一口に交流と言っても、大部分は同じ探偵・調査業者の集まりか、せいぜい異業種交流会くらいのもの。
探偵同士の研修・交流会は、概して同じようなメンツになりがちだし、探偵が参加できるような異業種交流会は、一歩間違えると露骨な営業合戦に終始します。
(怪しいセミナーの勧誘か、投資、保険、広告営業マンの狩り場という話も)
それだけに、ふだんほとんど接点のないエリート国家資格保持者の先生たちとの、営業目的などではない純然たる交流は、いろいろ得るものがありました。
そして、探偵というレアな世界で長く真剣に生きてきた自分だからこそ、そういった先生方に、提供できるものも何かあると思えました。
良い交流というのは、そこから派生して、さらに別の良い交流をもたらします。
私自身のこれからのテーマですが、
そう考えています。