令和元年 第一回 チャリティ消費者セミナー

2019年11月30日、熊本市流通情報会館にて開催された、一般社団法人『九州調査業協会研修会』主催による「チャリティ消費者セミナー」に参加しました。

九州エリアの調査業・探偵・興信所が一同に介し、弁護士による法律ガイダンス、警察による指導、消費者センターからの助言、ベテラン調査員による調査手法の情報公開と、さまざまな内容の教育研修会です。

また、チャリティセミナーということで、研修会参加費は、国際協会ライオンズクラブを通して【小児がんの子供を守る会】に全額寄付されるとのことです。

 

研修会時程

一、不貞による夫婦離婚問題について (講師 河津弁護士事務所 弁護士 河津典和氏)

二、振り込め詐欺にあわないために (講師 熊本県警察本部生活安全部生活安全企画課 振り込め詐欺対策係長 警部補 森田俊二氏)

三、「探偵業者と消費者間の意識がトラブルに」 (講師 熊本県環境生活部県民生活局消費生活課 参事 永田裕治氏)

四、探偵の使用する機材について (講師九州調査業協会 理事 あいざわ調査室 香月省二氏)

五、感謝状贈呈 ライオンズクラブ国際協会337E地区 ガバナー 三島省吾氏

 

一、不貞による夫婦離婚問題について (講師 河津弁護士事務所 弁護士 河津典和氏)

研修会一限目は、夫婦・離婚問題を扱っている現役の弁護士・河津典和氏による、民法上の不貞行為や損害賠償請求についての講義でした。

内容としては基本的なことであり、以前私がブログでも書いた通り、(【不貞行為の定義】【慰謝料の金額】)探偵として営業している者であれば、当然頭に入っておくべき知識の再確認です。

しかし、さすがにそこは、現役で活動されている弁護士の先生らしく、ためになるお話も聞かせて頂けました。

具体的には…

  1. 「性行為に至らない関係の場合、不貞行為(浮気)だと認められるか」
  2. 「入籍していない内縁関係の場合、不貞行為が成立するか」
  3. 「同性間(男と男、女と女)の性的行為の場合、不貞行為と言えるのか」
  4. 「法律上、【不貞行為】であると認められなかった場合、浮気した責任はまったくなくなるのか」

……こういった、少しひねったケースでの解説です。

せっかくなので、今回学んだ法律問題については、あらためて別に記したいと思います。

 

二、振り込め詐欺にあわないために (講師 熊本県警察本部生活安全部生活安全企画課 振り込め詐欺対策係長 警部補 森田俊二氏)

二限目は、現役の警察官を招いての、「振り込め詐欺の現状について」の講義です。

探偵・浮気調査会社、興信所には実はそれほど密接に関係している部分がある分野でもありませんが、

(もし、探偵の副業に特殊詐欺をやっている悪徳業者が会場に紛れていたら別ですが、ないと信じたいです)

どんな分野であっても、専門家の生の声というのは貴重であり、こちらもまた面白い話でした。

最近流行なのは、指定口座に「振り込め」と指示する詐欺ではなく、キャッシュカードを直接奪い取る手法らしいです。

また、還付金詐欺や架空請求の手口も巧妙化し、特に後者の被害者は若年層にも多いそうです。

『振り込め詐欺』といえば、高齢者がターゲットというイメージで、それは決して間違っていませんが、社会経験の浅い若者を狙った詐欺も増えてきているのが実情です。

『簡単にできるシンプルな詐欺対策』についても教えて頂けました。

 

三、「探偵業者と消費者間の意識がトラブルに」 (講師 熊本県環境生活部県民生活局消費生活課 参事 永田裕治氏)

三限目は、熊本県環境生活部県民生活局消費生活課の参事永田裕治氏による、トラブル事例の話です。

いわゆる『消費者センター』の担当者で、つまり、探偵業者からのクレームの窓口です。

言ってしまえば、悪質な探偵から被害を受けた消費者の苦情を、集まった探偵・調査業関係者に直接伝えるという、なかなか思いきったプログラムでした。

弊所、もり探偵事務所は、世間に顔向け出来ないような営業はしていないと自負しているつもりなので、

「探偵業者にだまされてボッタクられたという苦情が多数寄せられています」という話も、他人事として聞くことが出来ました。

が、かりに身に覚えがある業者がその場に出席していたとしたら、耳が痛い内容だったのでは、と思います。

特に多い苦情が、

  1. 「ホームページ上に『業界最安値』『格安』と記してあったのに、面談したら、100万200万もの聞いてもいなかった高額を請求された」
  2. 「面談のときは『マメに連絡します』と言ってたのに、いざ契約したら、全然連絡がつかない、電話もメールも繋がらない」
  3. 「GPSや隠しカメラが調査中にバレてしまい、警察に届けられたり、調べた相手から『精神的苦痛を受けた。損害賠償請求してやる』と文句を言われたとたん、いっさい連絡がつかなくなった。(あるいは、契約書をタテに無責任に逃げられた)」

……だそうです。

中でも、インターネットに掲載されている『格安料金』に関するトラブルが非常に多いと、担当者も苦笑していました。言外に、「あなたがた、あんまりムチャクチャせんでください」と含ませているようにも見えました。

 

四、探偵の使用する機材について (講師九州調査業協会 理事 あいざわ調査室 香月省二氏)

四限目は、現役のベテラン調査員による調査機材についての紹介です。

どの探偵も、自分の培ってきた調査技術や、試行錯誤を繰り返したのち愛用するに至った調査機材に関しては、門外不出と言ってもいい、メシのタネ、秘中の秘です。

その情報を公開するとあって、ある意味では今回の研修会の目玉ともいえるべきプログラムでした。

当の『あいざわ調査室』の香月氏と私は面識がありませんが、なんでも探偵歴30年という大ベテランらしいです。

私も20年近く現場で生きてきた人間なので、本当に調査の現場に向き合ってきた探偵か、それとも経営や営業だけに専念してきた名前だけの探偵かは、少し見ればわかります。

講義を聞き、確かに、敬意を表するべき業界の先輩であると見受られました。

あいざわ調査室は、話を聞くぶんには、各種調査機材をふんだんに使用するスタイルの調査事務所のようです。

私自身は、業界では若手の年齢の部類に入りながらも、機材よりもむしろ自分のスキルに重きを置いたスタイルです。

言葉は悪いですが、あまり機材に頼らない調査をしているので、(このブログにもそういった主張が散見されると思いますが)

たくさんの機材を使う香月氏の話は、自分とは対照的なスタイルとして、実に興味深く聞きました。(もちろん、現役の探偵だけに、公開した情報もすべてではなく、無難に選んだものであるはず)

主に、『隠しカメラ』についてと、『ドローンを使った新しい調査手法』についての情報公開でした。

ドローンを使った調査については、【ハイテク調査(ドローン編)】という記事にも記した通り、個人的には半信半疑というか、どちらかと言えば否定的です。

新しい技術に対して尻込みしていては、改革や進歩はないというのも承知していますが、『現実感』とのバランス感覚もまた、欠いてはならないものです。その上で、ドローンを使った調査は時期尚早と思っています。

まあ、コレに関しては、研修会における『賑やかせ』という目的もあったかもしれません。

事実、デモンストレーションとしての効果は充分で、年配の探偵など、目を丸くして、現代技術の見本であるドローンに見入っていました。

さて、もうひとつ、隠しカメラについての調査手法。これには率直に、賛否両方の感想を持ちました。

私は、探偵としての感覚と経験から、やはり『GPS』と『コンシールド機材』については否定的な立場です。見つかった場合のリスクが高すぎるからです。

しかし、今後も探偵業を続けていくにあたって、調査機器の変化・進化は、絶対に受け入れていかねばならないモノであることは疑いありません。そういう意味でも、自らの意識変革に繋がる重要な話題でした。

これに関しても、長くなるので別の記事に記します。

 

五、感謝状贈呈 ライオンズクラブ国際協会337E地区 ガバナー 三島省吾氏

四限目にてこの日の研修会は終了し、最後にライオンズクラブのガバナー三島氏から、チャリティー活動への謝辞と感謝状の贈呈が行われました。

依頼人様という個人のため、日夜身を粉にする我々探偵業者が、不特定多数の人びとのために社会貢献出来るチャンスは多くありません。

今後も、同様の会合が開催されることを望みますし、そういった同業者の会合に実はそれほど興味がない個人主義の私立探偵である私も、前向きに参加していきたいと決意を新たにしました。

 

 

もり探偵事務所は、尾行・証拠撮影に特化した福岡県の【行動調査専門】の私立探偵です。