福岡の探偵業界について 6月の所感
依頼人さまが知らない探偵業界の裏事情に、
……というものがあります。
派閥というほど強いまとまりではありません。
どちらかといえば、寄り合いです。
探偵というと、一匹狼なイメージですが (そして私は間違いなくそっちですが)、仲間同士で集まっているのは意外な印象です。
……様々な業界グループがあるようです。
私はどこにも属していないためか、いろいろな探偵と薄い繋がりがあり、フラットな情報が入ってくる独自の立ち位置に居ます。
そんな私から見た、業界の印象(2023年6月版)です。
コロナは明けたけれど……
完全に収まったわけではありませんが、少しずつ以前のライフスタイルが戻りつつあります。
おっかなびっくりでマスクを外す人も少しずつ増え、飲み屋は活気を取り戻し、街には外国人の姿もたくさん見られるようになりました。
旅行業界など、人手が足りていない活況と聞きます。
しかし、探偵業界は、いまひとつ盛況とは言えない様相。
何人かの同業と話しましたが、大きな調査会社ほど、経営は芳しくない雰囲気が、会話の端々に見えました。
私と同業者が話し合ったところによると、やはり物価高の影響が大きそうです。
やたらと安価をうたう探偵が増えた
何度も言っている通り、私はふだん、同業他社のサイトはほとんど見ません。
あまりニュートラルに見ることが出来ず、なんとなく胸中がモヤッとするからです。
しかし、今回、久しぶりに眺めてみました。
そこで気づいたのは「安価をうたう調査業者がやたら増えた」こと。
以前であれば、
……と強気の営業スタイルだった調査会社ですら、
「安心の低価格! コミコミのセットプラン! 業界最安値水準!」
みたいなことをデカデカとサイトに載せています。
その他でも、「探偵といえば高いイメージだけど、ウチだけはお安くしときまっせ」的な広告展開が、やたら目に付きました。
この光景には見覚えがあります。
2008年、リーマンショックで探偵業界にも不況の嵐が吹き荒れたころです。
それを考えると、探偵業界に不況の影が忍び寄っているのでしょうか。
物価高と探偵
日本の経済と言えば、コロナでどん底に落ちたのが、急速に回復している最中。
そこに、円安と戦争による物価高が直撃、混乱が生じている……といった感じです。
私は調査が専門であって、経済はシロウトです。
ですが、周囲を眺めて見るに、「やたら羽振りの良い業界と、苦境にある業界とで、明暗が分かれている」気がします。
そして、投機的な業界ほど、妙に金回りがよく、堅実で手堅い業界ほど、苦しくなっているという印象を受けます。
探偵業がどちらに属するか……それは一概には言えません。
探偵・調査業界も、妙に仕事があふれているところと、干上がる寸前のところと、はっきり二分されている様相だからです。
調査業。デジタルVSアナログの新構造
もう一つ、何人かの同業者と歓談して気づいた点があります。
ちょっとしたジェネレーションギャップ。
それは、高齢の探偵も、若手探偵も、妙に「隣の芝生を青く感じる傾向がある」ということです。
言ってみれば、アナログVSデジタルの構図なんですが、
「高齢者=アナログに固執」「若手=デジタル賛美でアナログ否定」
……というのが、一般的なイメージでしょう。けれど、じっさいはその逆です。
私が様々な世代の同業者と話して気づいたのは、
「年配の探偵=デジタルを美化」「若い探偵=アナログに活路期待」という不思議な構図。
これについては、長くなりそうなので、いずれ別の記事で考えたいと思います。
なんにしても、水面下における探偵業界の状況変化は、目に見えない影響を依頼人さまに及ぼすもの。
そして、その影響を受けるのは、もり探偵事務所も例外ではありません。
けっしておろそかにせず、鋭敏にアンテナを張っておきたいものです。