どういう写真を撮れば、充分な『証拠』になるか
浮気の証拠が欲しい。
相談を受けた私が、最初に説明するのが、「どういう写真を撮れば、充分な『証拠』になるか」
それは、見積もりにも関係してくる重要な部分です。
では、具体的に、どういう写真が証拠となるか。
「そんなの、ラブホから出てくる鮮明なツーショットに決まってるよ」
……そう思われるかもしれません。
じつは、この『ラブホの出入り写真』がクセモノです。
「ラブホのツーショットの写真」は、一枚撮っただけでは、浮気の証拠として不充分だからです。
『一枚』=『一回』では不貞と認められない
浮気相手と一緒にラブホから出てくる【決定的写真】
なぜそれを一回撮っても不充分か。
それは、「単に一度ホテルに入った証拠」としか扱われず、「ホテルの中で不貞行為をした」決め手に欠けるからです。
「入った」と「やった」はイコールではない、とされるわけです。
そんなことを誰が決めるか……?
法律です。もっというなら、いわゆる裁判官です。
浮気の証拠の判例は
この裁判官の判断を、法律用語で「判例」と言います。
その判例で、「ラブホに一回入ったくらいでは、不貞とは断定できない」……とされています。
つまり「浮気相手とヤっちゃった」と認めてくれないわけです。
浮気されたほうからすると、「ハア? ホテル入ったらヤることはひとつでしょ!?」と納得いかないでしょう。
ですが、法律はあくまで中立的なもの。どちらの言い分も公平に認めようとします。
だから、浮気した二人の……
「ホテルに入ったことは認める。(写真があるからね……) でも、なにもしてなーい!」
……という苦しすぎる言い訳も、ある程度は認めなくてはならないわけです。
すぐ認める相手と、絶対に認めない相手の違い
法律は、「一度ラブホに入っても、本人たちが『何もしていない』と言うのなら、その可能性も考慮してあげよう」と判断します。
逆に言えば、一枚の写真で認める相手なら、それで充分ということ。
けれど、世の中、自分のしたことをアッサリ認める人ばかりではありません。
人はウソをつく生き物です。
そのウソを打破するために『証拠』があるのです。
証拠とは「ウソつきを黙らせる必殺の武器」
だからこそ、完全無欠である必要があります。
ホテルに入った二人の言い訳集
浮気相手とラブホテルに入っておきながら、いったいどんな言い訳ができるというのか。
以下、じっさいに私が聞いたものです……
①「最初はエッチするつもりだったが、中に入って冷静になり、直前で止めた」
②「気分が悪くなって、ただ横になって休んだだけ」
③「(浮気相手の女が自分だけ逃げるため) 男に無理やり迫られ、しかたなく入った。でも拒否して、関係は結ばなかった!」
④「他人に聞かれたくない重要な話し合い (だいたい持ち出すのは『別れ話』)をするため、邪魔が入らない場所に行きたかった」
⑤「勃たなかった」
⑥「中でゲーム、カラオケ、運動(エロくないやつ)をしていただけ」
⑦「勉強会」
⑧「同性愛者だからそういう仲にはならない」
まだまだありますが、キリもないし、これ見てマネされても困るので、とりあえずこのくらいで。
ウソつきを黙らせる証拠は、最低2回、できれば3回以上
中には「ふざけてるのか」と言いたくなるようなヒドい言い訳もありますね。
依頼人さまは、ふつう、ここまで予想して依頼なんかしません。
しかし、ベテラン探偵は、これまで何度もそういう嘘つきを見ているので、「証拠はたくさんあったほうが絶対いい」と考えるのです。
いくら浮気した二人がごまかそうとしても、「客観的・中立的判断により、事実を認定できれば」その言い訳は無効になります。
ラブホの出入りで言うなら、それが「複数回」という判断基準です。
浮気の証拠の判断基準
中で勉強してようが、
上司に無理やり連れ込まれようが、
別れ話しようが、
勃起しなかろうが、
「ラブホに入る」という行為を繰り返せば、それは『不貞行為』とみなされます。
肝心なのは『常習性』
つまり、何度も繰り返すということ。この回数が、非常に重要です。
二度以上やっちゃったら、さすがにもう言い訳は出来ない……そういうことです。
証拠はお金がかかってしまう
「繰り返し」こそが証拠となる。
一回よりは二回。二回よりは三回。早い話がそれだけのことです。
でも、繰り返すことで、調査料金がドンドン高くなってしまう……
これが、探偵料金が高い理由の一つであり、浮気調査が抱える問題点です。
かりに、一回のホテルの出入りを撮る調査に20万円かかったとしましょう。
(それでも決して高くないんですが)
単純計算して、二回なら40万円、三回なら60万円と、どんどん増えていきます。
それこそ、平気で100万とか150万とかになってしまうこともあります。
(もり探偵事務所では、そういうことはありません)
トータルで考え、ムダのない調査をする
探偵は大きくわけて二種類に分かれます。
・依頼人様の指示通り、言われたことだけをやる探偵
・どうすれば依頼人さまにとってプラスかを自分で考え、提案する探偵
もり探偵事務所は後者です。
今回書いた大切なことを、私は面談のときに、じっくり説明します。
でも、それが報われるとは限りません。
と、難しいことを言う探偵より、
「オッケー。じゃあ言われた通り、○月○日の●時~●時に調査しまっす」
……と、軽く引き受ける探偵のほうが、ウケがいいからです。
でも、その軽い探偵の調査では「証拠として弱い」と分かり、あとでクレームをつけたとしても、
「いやー。こっちは言われたことやっただけですわ」
と、責任逃れされるでしょう。
二つの問題点 浮気夫・不倫妻のメチャクチャな言い訳と、ボッタクリ探偵
要約すると「ラブホの写真は一枚では足りない」ということです。
それは、法律が「相手の言い分も認めよう」とするから。
そこには、二つの問題点が生じます。
①相手の言い分が、『メチャクチャな言い訳』であること。
②「一回では証拠になりません。長く調査する必要があります」を口実に、ムダな調査をやって、ボッたくる探偵も居ること。
この二つを回避するにはどうしたらいいか。
依頼人さま自身が、こういう記事を見て、しっかり学ぶしかありません。
そして、もし「証拠は一回撮れば充分」みたいな感じの探偵が居たら、そういう業者は避けるのも手です。