怒鳴る男

最近多い、探偵への苦情相談

今年に入って、「ほかの探偵に頼んで、大失敗だった!」という相談を多く受けます。

こういう話は、今までも珍しくなかったんですが、最近はとみに多い気がします。

よほど、余裕のない仕事をしている同業者が居るのでしょうか。

失敗の九割くらいは「ホームページや口コミに書いてあったことと、ぜんぜん違う!」というものです。

 

ホームページには良いことしか書かない

料金は安く、経費は明朗、担当者は親身、調査は完璧で、アフターフォローも万全……

そんなホームページでの謳い文句を信じて依頼したのに、じっさいは、

料金は高いわ、ワケのわからない追加経費は発生するわ、担当者は冷たいわ、調査結果は不満だらけ、アフターフォローどころか電話もつながらない……

だったそうです。どことは書きません。

これだけ口コミが発達し、依頼人さまもしっかり情報収集してから依頼するはずなのに、なぜいまだに「探偵選びで失敗」してしまうのか。

口コミが機能していないのが大きな理由でしょう。

 

じっさいにその業者の口コミを見てみました

失敗したという調査会社の名前や、料金、失敗の内容をお聞きして、そこのグー●ル口コミを見てみたところ、高評価のオンパレードでした。

探偵の口コミは本当にあてにならないな、と業界に居る自分でも思いました。

どうして探偵の口コミはあてにならないか。その理由ははっきりしています。

 

①失敗した依頼人さまが、低評価の口コミを付けないこと。

②業者や自作自演の高評価口コミが横行していること。

 

それぞれ解説しましょう。

 

 

●素性を知られているゆえに、低評価なんか付けられない!

ぜんぜん関係ない私に、ほかの探偵の文句を言うくらいなら、その業者の●ーグル口コミにはっきり書けばいい。

そうすれば、今後、ほかの依頼人さまが失敗せずに済む。

私がそう言うと、みなさん口をそろえるのが「そんなことをしたら、その探偵から、何されるかわからない」という言葉です。

探偵の依頼は、自分の名前・住所・車・配偶者の勤務先・家族構成など、多くの個人情報をさらします。

低評価の★1口コミを書こうものなら、すぐに誰が書いたか調査会社にバレてしまい、報復措置をとられてしまうのがコワイ……というわけです。

クレームをつけられるような調査会社の人間は、裏表が激しく、コワモテも多いです。

名誉毀損だの損害賠償だの、法的措置をチラつかせる探偵も居ます。

探偵と関わったことを周囲には絶対バレたくない、と考える依頼人さまも多いことから、泣き寝入りせざるを得ない……

これが、失敗した探偵へ、低評価口コミを書けない理由です。

 

●探偵業界に横行する 自作自演と業者の口コミ

素性を知られているゆえに、不満があっても、低評価は付けられない。

これが探偵業界の口コミの性質ですが、もうひとつ特徴があります。

それは、良い評価もなかなか付けられないということ。

先ほど記した通り、探偵への依頼は、基本的にみなさん周囲にバレたくないもの。

たとえ、依頼に満足し、探偵に感謝しても、そこで終わりにしたい、わざわざ口コミを書いて周囲にバレるようなマネはしたくない……

こういう依頼人さまも多いのです。

それもあって、飲食店などと違い、探偵・調査会社の口コミの絶対数は、基本的には少ないです。

その反面、探偵選びにおける口コミの影響力は絶大

料金は高額で、一生のうち頼むことなど一度あるかないか、知り合いからの紹介もなかなか無く、ネットで検索してもどこも同じに見える……

そんな探偵選びで、口コミをチェックしない人は、ほとんど居ません。

だから、広告熱心な探偵・調査会社は、こぞって口コミに力を入れることになります。

 

 

・探偵の口コミはほとんどが自作自演

「口コミに力を入れる」とはどういうことをするのか。

良い仕事をして、依頼人満足度を上げること……ではありません。

(なぜなら、良い仕事をしても、良い評価を付けてくれる依頼人さまは、少ないからです)

自分たちでアカウントを作って自作自演……これが探偵の口コミ対策の定番です。

どこでもいいです。Google Mapsで【探偵】を検索し、口コミを見てください。

異常に「★5 口コミ1件というアカウントが目につくはず。

 

・探偵の口コミは業者だらけ

同じく、どこでもいいから探偵を検索し、口コミを見てください。

同じような「★5 口コミ1件」というアカウントで、かつ一行程度のベタぼめ文章」「似たような文体・内容」が、大量にあると気づくはずです。(コピペ)

もちろん口コミ代理業者が「1件につきいくら」という報酬でつけたレビューです。

悪名高いアマ●ンの業者レビューと同じで、慣れればすぐ見分けがつくんですが、それができる人ばかりではありません。

 

口コミ写真

 

探偵の口コミを最大限に利用する 6つの方法

探偵の口コミはウソだらけ。

本当の良い評価はなかなか付けられず、悪い評価や苦情の口コミは、怖くて書けない。

なのに、口コミ自体はとても参考にされる……そんなイビツな状態です。

口コミは、いまやどんな業者にとっても、無視できない影響力があります。

ですが、いまだ探偵業界においては、健全に機能しているとは言えません。

だから、探偵の口コミをうまく利用するためには、以下の6点をしっかり意識するようにしてください。

 

1 そもそも探偵は、良い評価も悪い評価もなかなか付かないもの、と知る

2 逆に探偵業者は口コミにとても力を入れる

3 探偵業者が口コミに力を入れる方法は、顧客満足の向上ではなく、自作自演とレビュー業者

4 基本的に「1件しか評価のないアカウントの★5」「コピペみたいな簡単な文章」は怪しい

 ただし「1件しか評価のないアカウントの★1」は真実味がある

6 その調査会社がとくにアピールしていることを、わざわざホメるのは中の人

 

とくに6は自作自演口コミの見分け方として非常に有効です。

 

中の人の口コミは、一番ホメて欲しいところを、わざとらしくホメる!

各探偵・調査会社は、独自色を出そうと、さまざまなことで自社アピールしています。

ホームページを見ればそれがわかります。

(元刑事。弁護士との連携。何百ページもの報告書。全国展開。好立地。女探偵……etc)

そして、とってつけたような口コミで、それらを自画自賛するのです。

調査会社の中の人が自分で書いた口コミ。具体的には以下のような感じです。

 

元・刑事」→「さすがは元刑事さん。他社を圧倒する調査力でした。警察にも顔がきき、調査がスムーズでした(★5)」

弁護士と連携」→「弁護士に紹介された探偵さんでした。だからとても信用できました(★5)」

ぶ厚い報告書」→「報告書のボリュームが圧巻で、弁護士もこれなら安心できると太鼓判を押していました(★5)」

全国ネット」→「各地に支部のある探偵会社で、遠くの出張の調査にも、対応できました(★5)」

好立地の事務所」→「裁判所の近くに事務所があり、喫茶店などで会おうとする探偵とは違って、安心感ありました(★5)」

女探偵」→「女探偵さんが親身になって話を聞いてくれました。同じ女なので安心して話せました(★5)」

 

こんなふうに、セールスポイントと呼応する口コミがわざわざ書いてあるのが「中の人が書いた自作口コミ」の特徴です。

私の経験上、本物の依頼人さまが書いてくれるリアルな口コミは、こんなわざとらしい書き方をしません。

この6点を意識することで、探偵の口コミの見方も、かなり変わるかもしれません。試してみてください。

なお、もちろん探偵のサイトすべてが、口コミを細工しているわけではありません。

まっとうに経営し、リアルな口コミをもらっているところもあります。

そんなマジメな探偵・調査会社を見つけるためにも、口コミを正しく見極める目を養って欲しいと思います。

 

 

レビュー写真