個人事業主に狙いを定め、やたらとかかってくる電話営業
もり探偵事務所にはよく広告代理店から電話営業が来ます。
でも、あきらかにそれとわかる番号だと、忙しいときには取りません。
(番号見たらわかってしまうくらい、ひんぱんにかかってくるのです)
今回は、探偵事務所につきものの、「やたらとかかってくる迷惑電話について」
探偵にいちばんかかってくる電話は営業
探偵事務所を開業したら、かかってくる電話には、敏感になります。
すべての依頼は一本の電話から始まるからです。
しかし、いくら新人探偵が、電話の前で正座して待機してても、探偵への電話など、そうそうかかってくるものでもありません。
むしろ一番多いのは「広告出しませんか?」という営業電話です。
こちらは、下手したら一日に数回かかってくるほど。
だから、長く探偵している人間は、着信ディスプレイがあきらかに営業の番号だと、いちいち取りません。
営業電話の戦略。依頼人のフリをしてかけてくる
だからでしょうか。
広告代理店も最近は妙な戦略を使いだしました。
「080」や「090」といった「あたかも個人の依頼人であるかのような番号」から電話してくるようになったのです。
私たち『依頼請負業』は、個人からの着信は必ず取ります。
そこを逆手にとった戦略です。
どうも福岡市東区の探偵だけでなく、行政書士や司法書士といった士業にも同じことが起きているらしく、Twitterでのボヤきを何件か見ました。
だましは営業としては最悪の手法
いったいなにを考えておるのでしょうか。
そりゃ、電話を取らせる戦略としては正しいかもしれません。
それをやられてしまうと無視できないからです。
しかし、営業手法としては、おおよそ最悪の手段です。
だまし討ちみたいなことをする相手からの提案なんて、まともに受けるはずがないでしょう。
ファーストインプレッションは最悪。
商談のスタートラインからすでにマイナスです。
探偵が営業に口で負けるはずがない
それに、私たち探偵も、行政書士も、司法書士も、個人相手に依頼を請ける人間は、海千山千。
若い営業マンの口車に乗せられたり、説き伏せられたり、勢いに押されて契約なんて、まずしません。
ましてや「こんな姑息なヤツの電話受けたくもない」と思う相手ならなおさら。
だから、通話が成立しても、それはただの時間と電話代の浪費にしかならないわけです。
【WIN-WIN】どころか【LOSE-LOSE】
ビジネスとしては完全に失敗です。
うさんくさい営業電話の影にパワハラあり?
しかし、そこには、深い事情があるのかもしれない……と、ふと思いました。
若い営業員が、「スマホからかければ、探偵や行政書士は、電話を無視しない!」と、短絡的でバカな戦略を思いついた……
そう思っていましたが、じつは違うかもしれません。
「黙って電話かけまくれや! 普通にやってもアイツら取らねーから、ケータイでかけてみろ! 取るから!」
……と、短絡的なパワハラ上司に、バカなことを強要されているだけかもしれません。
じつは探偵修行中 電話営業のバイトもしました
はるか昔、探偵になる前。
私は修行として、様々な仕事を経験しました。
『うさん臭い電話営業』もやりました。
一応は、新人向けマニュアルがあり、先輩・同僚からのアドバイスもありましたが、まあひどい内容でした。
うさんくさいリストを渡され、「上から順に電話をかけまくれ」と指示されるだけ。
そして、かけた相手からは、それはもう酷い罵詈雑言の嵐。
探偵修行と割り切っていなければ、精神をすり減らしていたことは必至です。
実体験があるから、電話営業に冷たくできない
自分がイヤな思いをしたせいでしょう。
私は迷惑な電話営業に対しても、
「かけるなって言ってんだろうが。営業かけてくるなら、まずウチのサイトくらい見てからにしろ! (電話営業おことわり』と明記しています)」
「キミ、これフリーダイヤルの転送電話だよ。知ってる? このくだらない通話で、こっちの財布からカネ出てってんだよ? 社会常識ないの?」
……などと、強い口調で言ったりはしません。
「申し訳ありませんが、弊所では営業の類はいっさいお断りしています」
……と、じつに紳士的かつ丁寧に返します。
目にあまる電話営業。今後は考えるべきかも……
とはいえ、そんなふうに、個人からの電話を装って、こちらの貴重な時間を奪うのだとしたら……
今後はさすがに、
「あのさあ。客のフリしてケータイからかけてくりゃ、そりゃ電話は取るけど、そんなので営業受けるわけないでしょ? やめたほうがいいよ?」
……くらいはハッキリ言ってあげたほうが、お互いのためになる気もします。
でも、パワハラ上司に無理やりやらされてるだけかもしれないし……
もしそうなら気の毒なので、やはり言いません。
とはいえ、さすがに今の時代、そんなブラックな職場もない気がします。
やはり、上司のムチャ振りなんかではなく、短絡的でバカな社員が、単に自分で考えた迷惑戦略なのかも。