女探偵

不倫の何がいけないの? と言ってしまえる人たち

私が「探偵です」と名刺を渡すと、「ええっ。浮気調査とかするんですか?」と言われます。

「やりますよ。というか、それがメインの仕事です」と答えると、

「でも、不倫の何がいけないの?」

……そう、真顔で聞いてくる人がときどき居ます。

 

まず第一に法律的に悪いことです

「たかが不倫」「そんなに悪いこと?」「大げさ過ぎる」

一部の人たちにとって、不倫は「たかが」であり「騒ぐほどのことでもなく」「そんなに悪くもない」ことになるようです。

でも『浮気問題の専門家』である私は、不倫を容認することは出来ません。

ツラい思いをさせられている依頼人さまを、間近で見続けているからです。

 

浮気・不倫は『民法770条』に規定されている離婚事由のひとつ『不貞行為』です。

この『不貞行為』は、同じく民法709条に定められた『不法行為』にあたります。

第一に、法律上『違法な行為』だと明言されているわけです。

 

第二に、人間として最悪な行為です

というか、法律うんぬん以前に「ひととして最悪」というのが私の意見です。

倫理的にも、道徳的にも、社会的行為としても。

 

世の中には、「不倫の何がいけないの?」「たかが浮気でしょ」と言い切ってしまう人が、一定数居ます。

思うにそれは、加害者的な視点。強者の論理。騙す人、裏切る人の居直りです。

その陰には、必ず被害者が居て、弱者が居て、騙される人が居て、裏切られた人が居るのです。

私のところへ来る依頼人がそうです。

 

依頼人のみなさんは、食事もノドを通らないほど悩み、ろくに眠れず、やつれています。

相手を信じ続けることが出来ず、苦しみ、そして、騙されていたショックをどうして処理していいのか分からない……

 

そんな人たちを理解しようとせず、そもそも思いつきもしない人たちが、

「たかが」とか「何が悪いの?」とか、言ってしまうのではないでしょうか。

 

恋愛は自由。誰かを好きになることはしょうがない?

不倫容認派の意見のひとつが、

「恋愛は自由。誰かを強く好きになることはしょうがない」

……それに関しては、私も否定しません。

 

ヒトとして自然な心の働きだし、理屈や理性でコントロール出来ないのが、恋愛愛情である。

……それは、『人間のありのまま』を見続けてきた探偵の私だからこそ、良くわかります。

でも、『不倫』と『自由恋愛』は、決して同じものではありません。

恋愛は二人だけで完結した関係。

でも、浮気や不倫には『第三の存在』……つまり『される人』が存在するからです。

 

不倫は第三の存在の悲しみの上に成り立つ

二人の『自由恋愛』のために、第三の存在……つまり依頼人の方は、悲しい思いをします。

騙され、力で押さえつけられ、

「自分が悪いのかも。自分に責任があるのかも……」と、酷い自己嫌悪に苛まされることになります。

 

すべての浮気・不倫のケースがそうだとは言いません

不倫をしてしまった人たちの言い分もあるでしょう。

しかし、ほとんどのケースで、不倫する人たちは、自分たちの自由恋愛や肉欲のために、パートナーを騙し、家族を傷つけ、苦しませる方を選びます。

あまりにも、その行為を軽く考えるのです。

 

『浮気調査』は、そんな依頼人さまにとっての苦渋の選択

行使すべき数少ない権利

傷つけられ、踏みにじられた人の、最後の反撃の手段なのです。

 

「不倫の何がいけないの?」と言ってしまえる人たちにとって、浮気調査なんて「わざわざやるようなこと? キモい!」という意見かもしれません。

でも私はこう言いたい。

 

「浮気調査の何がいけないの?」

 

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