デキる探偵の仕事術【浮気調査編】
どんなビジネスであっても、シンプルに考えられる人が、デキる仕事人。
それは、浮気調査という、ちょっと普通とは言えない仕事でも同様です。
けれども、たいていの場合、浮気問題というものを、依頼人さまは複雑に考えがち。
だからこそ、我々プロの探偵は、そんな依頼人さまに、明確でわかりやすいプランや方向性を示すべきなのです。
しかし、それができる探偵ばかりとは限りません。
むしろ、難しく考える依頼人さまの出す指示を、ただ、受け身の姿勢で聞くだけ……そんな思考停止した探偵ばかり、というのが私の感覚です。
今回は、浮気調査のシンプル思考について見ていきましょう。
そもそも浮気調査はシンプルな調査である
浮気調査というのは、探偵業務の中でもシンプルな調査です。
これらを確かめ、それがあった場合に、映像的な証拠として確保する……それだけの話だからです。
これが、
や といった、情報全般を可能な限り収集する調査だと、なかなかシンプルにはいきません。どれだけの情報を集めたらゴールかという全体像が見えず、調査の方向性も様々だからです。
その点、浮気調査は答えが一つ。
シロかクロか。
あとは、それを予算や状況に応じた最適な調査で、ハッキリさせるだけ。
そういう意味で、浮気調査は探偵にとって、やりがいのある調査ではあります。
(少なくとも私は、調査の項目としてだけ見れば、好きな部類の仕事です)
浮気調査は元来シンプルなもの……これを意識することが、シンプル思考術の、はじめの一歩となります。
シンプルに調査するとは?
では、シンプルな調査とはどういうものか。
いちばん大事なことは、対象者をシンプルに見ること。
そこには4つの段階があります。
シンプル思考1
人間には時間が24時間しかありません。
そして、仕事や食事、睡眠と、消費しなくてはならない時間が、それぞれに必ずあります。
調査対象者に可処分時間がどれだけあるか。これが浮気調査の大前提となります。
シンプル思考2
浮気というのは一人では絶対にできません。必ず相手が存在します。
そしてその相手にも可処分時間というものが存在します。これがシンプル思考第2。
つまり、浮気というのは、二人の男女が、それぞれの可処分時間が交わる部分でしか起こり得ないということです。
この可処分時間を意識することで、本来はまったく読めない赤の他人たちの行動が見えてきます。
シンプル思考3
対象者も不貞相手も、2本の足で歩き、乗り物に乗って移動しなくてはならないということ。これが第3です。
当たり前ですが、空を飛んだり、瞬時にワープしたりなどできません。
ドアから出て、階段を降り、あるいはエレベータを使い、出入口を通り、車に乗り込み、バスを待ち、電車を待ち、自転車にまたがり、タクシーを呼び、そして目的の場所まで歩く……。
しかし、想像の中で浮気問題を描く依頼人さまの脳裏には、そういった人間の移動のリアルが、きちんとしたイメージとして浮かんではいません。
不貞相手は、どこからともなく現れるファントムのようなもの。
おまけに、思考停止したヘボ探偵も、ただ相手が現れるのを待っていたり、言われた時間、指示された場所に待機して、じっとその場を見つめているだけ。
この人間の移動のリアルが脳裏から欠如しています。
浮気相手というのは神出鬼没の幻影ではありません。
何らかの交通手段を使い、道を歩き、出入口を通って、現れるわけです。
それをきちんと意識すれば、自ずと調査で集中するべきポイントが絞れてきます。
シンプル思考4
対象者もその浮気相手も、人間です。
それぞれに、生活があり、仕事があり、やらななくてはならない用事、会わなくてはならない相手というものが、色々とあります。
そんな中で、浮気相手と会う時間をやりくりし、密会をするわけです。
また女性であれば、月の物というものもあるため、いつでもオッケーというわけではありません。
中年以降の男性であれば、疲れがひどければ、女性と浮気する気力もわかないでしょう。
これらの実生活のイメージを意識することで、ただのデータではなく、リアルな人間としての調査対象者の姿が見えてきます。
このイメージを持って調査するか否かで、浮気調査の成功率はがぜん変わってきます。
(広告用のハッタリなどではなく、本当に成功率90%以上の私が言うのだから、間違いありません)
かえって複雑そうだけど、これが本当にシンプル思考?
いろいろ記しましたが、こんな風に書くと逆に複雑そうに見え、ぜんぜんシンプルに見えないかもしれません。
しかし、これらは、詳細に説明するため文章化したから、複雑そうに見えるだけ。
言いたいことは本当にシンブルです。
・浮気調査はシロかクロかを確かめるだけの調査
・調査対象者に対して正しいイメージを持つ
・そのイメージを元に、地に足の付いた、ポイントを押さえた調査を行う
これだけの話。
そして、こういうのは、ウデのいい探偵であれば自然と身に染み付いていて、いちいち意識することではありません。
今回私も、ふだん無意識でやっていることを、ブログのために言語化してみたら、意外に文量があって驚いたほどです。
探偵のウデの差は【スキル】と【思考力】のふたつ
依頼人さまは、探偵がみんな同じくらいの技量と思いがち。
ですが、ウデの差はさまざまなところに出ます。
それは、単なる尾行・撮影技術といったスキル面だけではなく、目に見えない思考面にも、如実なレベル差として出ます。
この【思考のレベル差】で、探偵として結果を出せるか否かは大きく変わるのですが、いかんせん、スキル以上に目に見えにくい部分でもあり、一度や二度の面談だけで、違いがハッキリするモノではありません。
見分ける方法は……非常に難しいです。
ですが、一つだけ良い見分け方があります。
「言われたことしかしない受身な探偵か」
「自分で立案・提案し、能動的に動く探偵か」
この違いは、非常に、非常に大きいです。
能動的に、自分から動いて結果を追い求める探偵であれば、まずウデがいいと思っていいでしょう。
そんな探偵は、福岡の調査業界でも非常にレア。ほとんど居ません。